「ビジネスでは実際の実力と同じくらい、相手が抱く “ 印象 ” が成果に影響を与えます。」と提唱し、「印象」のもつ力を利用することで、仕事で成果を出し、成長につなげることをねらいとしている本があります。
本日紹介するのは、株式会社損害保険ジャパンの法人営業を経て、経営コンサルティングの世界に入り、現在は株式会社HRインスティテュート常務取締役シニアコンサルタントの三坂健さんが書いた、こちらの書籍です。
三坂健『「印象」で得する人、損する人』(PHP研究所)
この本は、次のように考えているビジネスパーソンを対象にして書かれています。
◆ 仕事で成長したいけど、どうもうまくいかない
◆ ビジネススキルだけでは不十分な気がする
◆ もっと彼(彼女)の育成を支援したい
著者は、コンサルタントとして、企業で働く社員の方々の人材育成や経営課題の解決を支援してきた経験を通して、十数年の間に、200社を超える企業の累計2万人以上の人に出会って、「あること」に気づいた、と言います。
それは、「本人の努力だけでは成長できない」ということです。では、ビジネスで成果をあげるためには、何が必要なのでしょうか。
この本では、著者がコンサルタントとして経験してきたことを踏まえて、ビジネスや世の中で大切なことについて、分かりやすく解説しています。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.ビジネスは「印象」で動いている
2.印象で損しない考え方、動き方
3.印象を味方につけるスキルを磨く
4.「本当のこと」を見極める思考力
本書の冒頭で著者は、仕事で成果をあげる人になるための「シンプルな習慣」として、スキルや知識に加えて次の「3つのステップ」の循環をつくり出すことが必要だ、と説いています。
ステップ1: 「仕事が集まる」状態をつくる
ステップ2: 「仕事で成長する」
ステップ3: 「次の仕事の種をまく」
そして、この「3つのステップ」に共通しているキーワードとして、「印象」という言葉を著者は挙げています。
つまり、仕事の成果や人の評価はとてもシンプルで、相手があなたにもつ「印象」に左右されてしまうものだ、と述べています。
仕事で成長できる人は「印象」の力を利用し、仕事が集まり、成長するサイクルをつくっているのに対し、仕事で成長しにくい人は「印象」のもつ力を理解せずに、ただ呑み込まれてしまっている、ということです。
すなわち、仕事が集まれば、チャンスをつかみ、仕事でPDCAを回して成長し、信頼されて、次の仕事の種をまくので、声がかかり、また仕事が集まる、というサイクルです。
また本書の中でとくに共感を覚えたのが、前半に出てくる、著者が勤務するHRインスティテュート創業者の野口吉昭さんが実践していたという「1日1冊本を読む」ということです。
著者の三坂さんも、それに倣い、コンサルタントとして「1日1冊本を読む」ことを自分に義務づけ、毎日毎日、自己投資をしてきたそうです。
私もビジネス書を、年間300冊、35年間読み続け、累計10,000冊を超える本を読破してきましたので、その姿勢にはほんとうに共感できます。
私も3年半前からは、毎日1冊、ビジネス書の書評をブログに書いておりますので、最近の3年以上は1日1冊のペースで本を読んでいます。
この本ではその他にも、「印象」がもたらす様々な力について、実例を通して説明されていて参考になります。ブランドや表現法、タイミング、記憶に残す法などです。
とくに、機会に恵まれる人に共通するキーワードが、次の3つという説明は印象に残りました。
1.認知
2.信頼
3.タイミング
さらに、印象で損しないようにするには、以下の3つが大切になります。
◆ 伝えるべき人を見極めること
◆ 伝える内容を見極めること
◆ 伝える順番にこだわること
そして、「印象形成」をするにあたり、基本的な要素として意識すべきは、①身なり、②表情、③姿勢、④行動、⑤言動、⑥メールの6つだそうです。
この6つのことを通じて、私たちは他者に「自分はこういう人間である」という「印象」を知らず知らずのうちに与えているのです。
本書の最後には、「本当のこと」を見極めるために、以下の「5つの思考方法」を実践することを提唱しています。
1.目的と背景を押さえる
2.根拠と事実を明らかにする
3.「違い」に着目する
4.複眼的に考える
5.やってみて、考える
このほかにも、「印象を味方につけるスキル」について、具体的・実践的に記されていて、すぐに活用することができます。詳細について、ここでは敢えて書きませんので、ぜひこの本を読んでみてください。
あなたも本書を読んで、「印象」で得する人になる、チャンスを呼び込むシンプルな習慣を身につけてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を