「文法上は間違っていない英語でも、外国人に失礼な英語を、知らず知らずのうちに使っている場合があります。」と指摘し、日本人が特に言ってしまいがちな残念な英語パターンを厳選し、記憶に残りやすいクイズ形式で、より望ましい表現とその理由が学べるように解説した本があります。
本日紹介するのは、アクセンチュア、デロイトコンサルティング、マイクロソフトにて日本、アメリカ、シンガポールを拠点に活躍し、現在は米国PMI認定PMPの岡田兵吾さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
岡田兵吾『【音声DL付】残念なビジネス英語』(アルク)
この本は、さまざまな角度から「日本人が言ってしまいがちな残念な英語」を音声DL付で、まとめた1冊です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.はじめに
2.本書の構成と使い方
3.「この人に任せて大丈夫?」と思われてしまう英語
4.「距離感、違う・・・」と引かれてしまう英語
5.「仕事上の会話だけでいいや」と一戦引かれてしまう英語
6.「この人とは話し合う気が起きない!」と思われてしまう英語
7.本書で紹介した主なフレーズ一覧
8.おわりに
この本の冒頭で著者は、各チャプターの構成と使い方として、次の6つのパートを紹介・説明しています。
◆「この会話、何が残念?」クイズ
◆ 上記クイズの解答
◆ 残念な表現のポイント
◆ 望ましい表現のポイント
◆ 関連フレーズ紹介
◆ クイックレスポンストレーニング
本書の前半では、「頼りなく、自信なさげ」な印象を与えてしまう英語表現、および相手に不快感を与えかねない残念フレーズを紹介しています。とくに印象に残る表現のポイントは以下の通り。
◆ maybe は自信なく聞こえる、probably は高い信頼性を示す
◆ I think はまどろっこしく聞こえる、前傾姿勢の I believe でポジションを取る
◆ Yes, but ・・・・は、外国人を混乱させる
◆ problem は「そんなに深刻?」と思われる
◆ You が主語だと批判的なニュアンス
◆ make だと「無理やりさせるの?」と思われる
◆ Ⅰ’m sorry. は「謝罪、それだけ?」と思われる
◆ want は直接的過ぎて「厚かましい」と思われる
この本の後半では、「この人とは仕事上の付き合いだけでいいな」と思われてしまう英語、および「この人と議論しても、よりよい方向に向かっていかないな」と思われてしまう残念フレーズを挙げています。主なポイントは次の通り。
◆ 過去形は「その時だけ?」と受け取られる
◆ wonder、can を過去形にして、依頼はより丁寧に
◆ ネガティブ発言はポジティブ言葉を挟んで
◆ How do you think ? と聞くのはNG
◆ 聞き返すときは、Would you・・・? で丁寧に
◆ 不確かな情報でも何かしら伝える姿勢を
◆ 前置きで相手に敬意を払いながら意見を
◆ Why ? は問い詰めているように聞こえる
本書の巻末には、丁寧に話すための6つのコツが以下の通り、紹介されていて参考になります。
1.現在計から過去形にすると丁寧になる
2.Could/Would you・・・? に possibly, kindly, please を入れると丁寧度が上がる
3.本題の前にクッション言葉を入れる
4.依頼するときは、疑問文よりも平叙文の方が丁寧
5.一般的に、文章が長くなるほどソフトになる
6.ネガティブな話をするときには、サンドイッチ手法を用いる
この本の最後で著者は、グローバルビジネスに身を置くのであれば、次の「HHP+C」という心構えが大切だ、と述べています。
◆ H:Hungry(目標に向かい努力を惜しまず常に学ぶ姿勢)
◆ H:Humble(穴居な気持ちで意見を受け止める姿勢)
◆ P:Proactive(指示を待つのではなく、自ら仕事を生み出し推進する姿勢)
◆ C:Comprehensive(多様な考えに理解を示し、包括的に捉える姿勢)
また著者が一昨年出版した『ビジネス現場で即効で使える 非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』(ダイヤモンド社)を併せて読めば、さらに実践で役立ちますので、お薦めします。
ブログの書評は、2019年10月19日付記事で、こちらです。
あなたも本書を読んで、残念なビジネス英語を改善し、積極的にグローバルビジネスにかかわり、どんどんコミュニケーションを取っていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2489日目】