書評ブログ

『自分が喜ぶように、働けばいい。: 二つの本業のすすめ』

「昨今の寿命が延びた時代には死ぬまで会社員をしているわけにはいきません。中高年になると会社生活もマンネリ化して働く意欲も失いがちになります。」と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、1954年神戸市生まれ、京都大学法学部卒業、生命保険会社に入社し、人事・労務関係を中心に、経営企画、支社長等を経験、勤務と並行して、「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組んだ後、定年退職して、2018年から4年間、神戸松蔭女子学院大学教授を務め、現在は取材・執筆活動等を行う楠木新さんが書いた、こちらの書籍です。

 

楠木新『自分が喜ぶように、働けばいい。: 二つの本業のすすめ』(東洋経済新報社)

 

 

この本は、会社勤めの中高年のみなさんに、会社員人生の後半戦を「自分が喜ぶ」ように働いて、いきいきと過ごすために、「会社を辞めることなく、会社の仕事以外の ”第二の本業” の準備を今からしておくといいですよ」と勧める本です。

 

 

本書は以下の5部構成から成っています。

 

1.40代、50代からの長い人生、一本道なんてもったいない!

2.独立・起業をしたくなったら会社を賢く活用することを考えよう!

3.40代、50代をいきいきと働く人の4つのパターンを事例で解説

4.先達の成功と失敗に学ぶ第二の本業の見つけ方

5.自分をプロデュースして第二の本業を軌道に乗せるコツ

 

 

この本の冒頭で著者は、「本書では、第二の本業を見つけて、人生の後半戦を ”いい顔” をして過ごしている人たち、それをきっかけに新たな人生をスタートさせた会社員を大勢紹介しています。その中に誰か一人くらい、みなさんとかぶる人がいるのではないでしょうか。」と述べています。

 

 

本書の前半では、「40代、50代からの長い人生、一本道なんてもったいない!」について、以下のポイントを解説しています。

 

◆ 第二の本業を軌道に乗せた人たちは75歳までは安泰

◆ 業務委託契約で週3日、午前中だけ同じ職場で仕事をする働き方も

◆ 二つの本業を持てる時代になった

◆ 定年後も長く元気に生きることができる時代

 

◆ 40代半ばの「こころの定年」、55歳の「役職定年」、65歳の「完全定年」

◆ 会社員人生の後半は、徐々に階段を降りていく現実

◆「こころの定年」や「働かないオジサン」を乗り越えるには、第二の本業を持つ

◆ 第二の本業と本業のシナジーを生み出す「ピンクレディー効果」

 

 

この本の中盤では、独立・起業をしたくなったら会社を賢く活用することを考えよう!」および40代、50代をいきいきと働く人の4つのパターンを事例で解説」について説明しています。主なポイントは次の通りです。

 

◆ 会社員から転身した人たちの話に没頭

◆ 独立起業すると自由に事が運べなくて、会社のありがたさが分かる

◆ 会社は友達を作りやすい場所

◆ 職場の仲間とウィンウィンの関係を築く

 

◆ タイプ1: 上昇志向型(現役バリバリ、昇進に意欲)

◆ タイプ2: 仕事好き好き型(働くことに誇りや喜び)

◆ タイプ3: 枠組み脱出型(二つの本業で生き生き)

◆ タイプ4: 仕事突き抜け型(第二の本業を仕事の中心に)

 

 

本書の後半では、先達の成功と失敗に学ぶ第二の本業の見つけ方」および自分をプロデュースして第二の本業を軌道に乗せるコツ」について考察しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ 幸福学からヒントをもらう

◆ 顧客を中高年の男性社員に絞り込む

◆ 第二の本業5パターンは、➀小商い、②別の組織で働く、➂趣味に生きる、④地域活動・ボランティア、⑤学び直し

◆ やり残したことを考える

 

◆ 生い立ちを振り返る

◆ 人生の忘れ物がヒントになる

◆ 今までの仕事で極めたスキルは?

◆ 今までに体験した大きな挫折は?

 

◆ 第二の本業を引き寄せる5つのテクニックは、➀身銭を切る、②個人事業主からヒントを、③お金にできるかどうかを考える、④魅力ある人に近づく、⑤信頼できる人に頼る

◆ 自分のお客さんを確定する

◆ お客さんに何を与えることができるか?

◆ 会社の仕事で培った強みを生かす

 

◆ 現在の仕事と切り離さない

◆ 小さな成功を積み重ねる

◆ 複数のコミュニティに属する

◆ 出会いは準備をしている人に訪れる

 

 

本書で提唱している「第二の本業」という働き方は、私が拙著『定年後不安』(角川新書)『定年ひとり起業』(自由国民社)および『定年ひとり起業マネー編』(自由国民社)にて説いている「トリプルキャリア」による生涯現役の働き方とほとんど同じコンセプトで書かれていて、共感し、深く感銘を受けました。

 

 

また、著者の楠木新さんの前著『転身力-「新しい自分」の見つけ方、育て方』(中公新書)も併せて読むと理解が深まり、お薦めです。

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「自分の本籍地を探せ!」と述べています。「自分の本籍地」とは、自分が喜んで働ける1丁目1番地、すなわち、自分の人柄や得意分野を深く知って、自らに合ったことをやってみることを指しています。

 

 

あなたも「人生後半戦を最高に楽しむ副業解禁時代のバイブル」である本書を読んで、第二の本業を見つけてみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2916日目】