「世界最悪の財政赤字国家、そのうえ中央銀行が世界最大のメタボ(=通貨を最もばらまいた)ならば、世界で最もインフレになるのは、当然の帰結です。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1950年東京都生まれ、一橋大学商学部を卒業後、三井信託銀行に入行、社費留学で米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院にてMBAを取得、帰国後、三井信託銀行ロンドン支店勤務を経て、米国モルガン銀行に転職、同行で資金為替部長、東京支店長兼在日代表などを歴任し、東京市場屈指のディーラーとして活躍、同行を退職後は、ジョージ・ソロス氏のアドバイザーを務めたほか、一橋大学や早稲田大学大学院にて講座を受け持ち、2013年から2019年までは参議院議員、現在は株式会社フジマキ・ジャパン代表取締役、東洋学園理事の藤巻健史さんが書いた、こちらの書籍です。
藤巻健史『Xデイ到来 資産はこう守れ!』(幻冬舎)
この本は、「なぜ日本経済は出口のない袋小路に入り込んでしまったのか? いつ財政破綻してもおかしくない状態にありながら、なぜこれまで、そうならなかったのか? この先、日本経済はどのようにして崩壊していくのか? 個人はXデイから自分の資産をどう守ればいいのか?」について書かれた書です。
本書は以下の16部構成から成っています。
1.すさまじい米国のインフレ
2.米国の専門家は高インフレをこう見ている
3.今後の米国のマーケットはこう動く
4.世界のインフレ退治の流れにのれない日銀
5.為替の動向を予測する
6.「日銀が危ない」ことを理解するための基礎知識
7.日銀が債務超過になると何が起きるか
8.どういう経緯で借金大国に至ったのか
9.官僚、学会からの警告を聞け
10.日銀の大失敗
11.日銀が危機的状況にある、これだけの理由
12.日銀とFRBの健全性はこんなに違う
13.ハイパーインフレ後の日本経済
14.経済とお金のナゾに答える
15.日本のXデイに備えて財産を守れ!
16.Xデイ後に日本が同じ間違いをしないために
この本の冒頭で著者は、「将来を考えると暗い気持ちになるでしょうが、見たくない現実を直視しないと、守るべきものも守れなくなってしまいます。」「これから起こるであろう現実を知ることが、皆さんや皆さんの家族を大混乱から守る」と述べています。
本書の前半では、「すさまじい米国のインフレ」「米国の専門家は高インフレをこう見ている」「今後の米国のマーケットはこう動く」「世界のインフレ退治の流れにのれない日銀」および「為替の動向を予測する」について解説しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 通貨刷り過ぎによる米国のインフレはすさまじい
◆ FRBは金融引き締めが遅れた
◆ 今後の米国金融引き締めは予想を超える利上げ、量的引き締めになる
◆ 40年におよび債券強気相場の終わり
◆ 世界のインフレ退治の流れに乗れず、利上げできない日銀
◆ 日米金利差、経常収支の両面から確実に円安と予測できる
◆ 円が暴落すれば、ハイパーインフレになる
◆ 日銀が債務超過になれば中央銀行としての信用が失われ、円は暴落
この本の中盤では、「日銀が危ないことを理解するための基礎知識」「日銀が債務超過になると何が起きるか」「どういう経緯で借金大国に至ったのか」「官僚、学会からの警告を聞け」「日銀の大失敗」「日銀が危機的状況にある、これだけの理由」および「日銀とFRBの健全性はこんなに違う」をテーマとして、以下のポイントを説明しています。
◆ 財政破綻を回避するための異次元緩和
◆ 異次元緩和の結果、昔の利上げ手法は使えなくなる
◆ 世界の時価会計移行の中で、日銀は簿価会計に固執
◆ 量的緩和縮小を始められない日銀
本書の後半では、「ハイパーインフレ後の日本経済」「経済とお金のナゾに答える」「日本のXデイに備えて財産を守れ!」および「Xデイ後に日本が同じ間違いをしないために」について考察しています。主なポイントは次の通りです。
◆ ハイパーインフレは、究極の財政再建
◆ ハイパーインフレで予想される「預金封鎖・新券発行」と「新中央銀行の設立」
◆ 金融商品は流動性に注意、リスクヘッジの基本は「ドル買い」
◆ Xデイに備えて資産防衛を
◆ 中央銀行デジタルの採用は不可欠
この本の締めくくりとして著者は、「今、世界で起きているインフレは、通貨の刷りすぎによるインフレなのだ。それが今のインフレの最大の要因。通貨を刷りすぎたので通貨の価値が下がっている。それに尽きる。」と述べています。
そして、「日銀は、世界で段違いに通貨を刷った。したがって円が一番弱くなる。他国はインフレのリスク、日本はハイパーインフレのリスクを抱えていることになる。」と続けています。
あなたも本書を読んで、ハイパーインフレが起こるXデイに備えて、自らの資産を守るための手を打っていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2855日目】