「未来に向かって敷かれたレールはない。道は自分でつくるものである。仕事においても、人生においても、わたしはこれまでそう信じて、仕事を続け、生きてきました。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、2016年5月に、セブン&アイホールディングスの会長を退任し、現在は同社名誉顧問となった鈴木敏文さんが書いた、こちらの書籍です。
鈴木敏文『わがセブン秘録』(プレジデント社)
この本は、跳ぶ発想力で仮説を立て、いままでにない新しいものをつくり出す発想力や、迷わず一瞬で決断するための「判断の尺度」の持ち方など、「自分で考える力」について、すべての世代に向けてアドバイスを送るために書かれたものです。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.懸命に「行き当たりばったり」に生きてきた
2.「無」から「有」を生むには「跳ぶ発想」を鍛える
3.「できない理由」をあげるより「実現する方法」を考えよう
4.「仕事の分母」には「売り手」ではなく常に「お客様」を置くと真実が見える
5.「判断の尺度」を「お客様」に合せれば迷わず一秒で決断できる
6.ものごとの「本質」を見抜けば仕事はうまくいく
この本の冒頭で、著者の鈴木敏文さんと同じ、昭和7年生まれの経営者である稲盛和夫さん(京セラ創業者)との対談に関するエピソードが紹介されています。
ふたりとも私が経営の手本として尊敬する経営者なので、興味深く読みました。ふたりの経営者には共通点が多く、利他の心や、新しいことに挑戦する粘り強さなどです。
稲盛さんは、「経営はマラソンだ」と語り、鈴木さんは「経営は一歩一歩積み上げていくことが大切だ」と述べています。
その後本書では、セブンイレブンでの失敗談や、最大の失敗を最大のチャンスに変えたエピソード、さらに「新しいもの」を次々と生み出していった発想力について、具体的に記されています。
また著者の鈴木さんは、セブン&アイの「オムニチャネル」の優位性について熱く語っていますが、それは同社が商品開発力を持っているからだ、と述べています。
ネット通販の巨人で、IT産業の覇者が見えてきた Amazon が、AI と ビッグデータを掛け合わせて、同じような方向へ進もうとしていると私は見ています。
これまでの小売り業界を見ていると、規模では圧倒的にリアル店舗のパワーが目立っていましたが、リアルからネットビジネスへ参入するよりも、ネットビジネスで一人勝ち状態を作ってからリアル店舗へ参入する方が有利、と私は考えています。
全米小売業界のガリバーであるウォルマートですら、Amazon の脅威を無視できなくあってきたのではないでしょうか。そうした中で、「地域の冷蔵庫」や「地域の公共機関」として役割を増しているコンビニが果たして勝てるかどうか、ここ数年で帰趨が見えてくるでしょう。
本書の後半には、「お客様の目線」や「お客様の立場」で考えることでビジネスがシンプルになり、決断も一瞬でできることが記されています。
この本の最後で著者は、挑戦し続ければ「小さな失敗」も成功に変わること、成功するまで続ければ必ず成功することを、自らの経験から提唱しています。
そして、「過去がいまを決めるのではなく、未来というものを置くことによって、今が決まる」という考え方で、ずっと仕事を続けてきた、と述べています。未来がいまを決めるのです。
あなたも本書を読んで、未来へ向かう道を自分で作ってみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を