「投資とギャンブルは違うものだと考えている人は多いだろう。しかし、投資の本質はギャンブル以外の何ものでもない。」「老後の生活資金を、NISAを使って投資信託で運用しようとしている人は、老後の生活を賭けて競馬や競輪をやっているのと同じだ。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1957年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業後、日本専売公社(現・JT)に入社、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て、現在は経済アナリスト、獨協大学経済学部教授で、50年間集めてきたコレクションを展示するB宝館(埼玉県所沢市けやき台2-32-5)が話題の森永卓郎さんが書いた、こちらの書籍です。
森永卓郎『投資依存症―こうしてあなたはババを引く』(フォレスト出版)
この本は、いま投資をすることがいかに危険かを力説しても、聞く耳を持ってもらえない可能性が大きいが、誰かが止めないと、日本中に投資依存症が広がり、バブル崩壊に伴って日本中に破産者があふれてしまうという、投資依存症のパンデミック前夜まで来ているのを何が何でも防ぎたいという思いから書かれた本です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.お金が自動的に増えることはない
2.バブルはこうして生まれる
3.強欲な金融業者――バブルの真犯人①
4.扇動する政府とメディア――バブルの真犯人②
5.そして、あなたは熱狂する――バブルの真犯人③
6.投資とどう向き合うか
この本の冒頭で著者は、「この本を書こうと決意したのは、ベストセラーとなった『転換の時代を生き抜く投資の教科書』(日経BP社)を読んだからだった。」「『転換の時代を生き抜く投資の教科書』の最大の特徴は、読者を扇動することが一切ないということだ。」と述べています。
本書の前半では、「お金が自動的に増えることはない」および「バブルはこうして生まれる」ついて以下のポイントを説明しています。
◆ お金が増える唯一のルートは「働く」ということ
◆ 強者は弱者から「収奪」する
◆ 労働者の報酬を抑制し、資本の収益率は安定させる
◆ 資本主義の宿命・バブル
◆ 史上最大の金融バブルは、1920年代のアメリカ経済
この本の中盤では、「強欲な金融業者――バブルの真犯人①」および「扇動する政府とメディア――バブルの真犯人②」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 投資がうまく行くかどうかは運
◆ レバレッジという破産加速装置
◆ 投資銀行は、「塀の上を走る」仕事
◆ SNS型投資詐欺は、LINEグループチャットに誘導して架空の取引所を紹介する
◆「生成AIバブル」エヌビディアの圧倒的技術優位は長続きしない
◆ 現在の株式指標は、バブルの「満期」を示している
◆ 資本主義が行き詰る4つの理由:①許容できないほどの格差拡大、②地球環境破壊、③少子化、④ブルシットジョブの蔓延
◆「投資」を扇動する日本政府
本書の後半では、「そして、あなたは熱狂する――バブルの真犯人③」および「投資とどう向き合うか」ついて説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ あなたを虜にする「快楽」欲求
◆「快楽」は依存を連れてくる
◆ 株式や投資信託への投資は、始めることよりも、やめることもほうがはるかに難しい
◆ 株価は最悪10分の1になる
この本の締めくくりとして著者は、「バブル崩壊に向かう可能性が高いので、今すぐ投資から手を引くべきだ。」と警鐘を鳴らしています。
あなたも本書を読んで、投資依存症について学び、新NISAを活用した投資戦略について、様々な見方や予測があることを学び、自らの投資戦略に活かしていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3527日目】