「この本で日本に関する大きなテーマは二つある。第一に、先進諸国に対し、すべての人の役に立つ高齢化社会をつくるにはどうすればいいかを示す。そして第二に、価値観が固まっていない国々に対し、官民が協力する日本型の混合経済モデルがうまく行くことを示す。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、英インディペンデント紙経済コメンテーターのヘイミシュ・マクレイさんが書いた、こちらの書籍です。
ヘイミシュ・マクレイ『2050年の世界 見えない未来の考え方』(日本経済新聞出版)
この本は、世界経済の未来に関する本で、未来という見知らぬ地へと向かう旅のツアーガイドとして読者を導く案内人が示すメッセージの書です。
本書は以下の13部構成から成っています。
1.2020年からの旅
2.わたしたちがいま生きている世界
3.人口動態――老いる世界と若い世界
4.資源と環境――世界経済の脱炭素化
5.貿易と金融――グローバル化は方向転換する
6.テクノロジーは進歩しつづける
7.政府、そして統治はどう変わっていくのか
8.アメリカ大陸
9.ヨーロッパ
10.アジア
11.アフリカ・中東
12.オーストラリア、ニュージーランド、太平洋
13.この先の世界を形づくる大きなテーマ――不安、希望、判断
この本の冒頭で著者は、日本の社会が考えた方がいいこととして、次の5点を挙げています。
◆ 日本の偉大な企業の技術力を足掛かりにする
◆ 高齢化社会に向き合っていく日本は、世界にとって教訓になる
◆ 世界の中間層が秩序と規律を求めるようになることの手本になる
◆ 海外にわたる若者が増えて、人脈が広がるといい
◆ 日本人が自信を取り戻してほしい
本書の前半では、「2020年からの旅」および「わたしたちがいま生きている世界」ついて、以下のポイントを説明しています。
◆ 一世代後(25~30年後)の潮流の多くは、ある程度わかる
◆ 未来を描くことは、考えや予想を明確にするのを手助けすること
◆ 30年前の予測を現在、照らし合わせることができる
◆ 気候変動の懸念とテクノロジーの謎
◆ 社会のあり方は中間層の価値観で変化する
◆ いまも未来の鍵を握るアメリカ大陸
◆ 最も高齢な大陸、ヨーロッパ
◆ アジアの新興大国、中国とインド
◆ 世界で最も若い地域、アフリカと中東
◆ 幸福な国であり続けるオセアニアのオーストラリア
この本の中盤では、「人口動態――老いる世界と若い世界」「資源と環境――世界経済の脱炭素化」「貿易と金融――グローバル化は方向転換する」「テクノロジーは進歩しつづける」および「政府、そして統治はどう変わっていくのか」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 変化をもたらす5つの力:①人口動態シフト(老いる先進国と若いインド、アフリカ)
◆ ②資源と環境:世界経済の脱炭素化
◆ ③貿易と金融:グローバル化は方向転換
◆ ④テクノロジー:通信革命とAIの重要性
◆ ⑤政府や当地の変化:民主主義、市場資本主義、当地と社会の変化
本書の後半では、「アメリカ大陸」「ヨーロッパ」「アジア」「アフリカ・中東」「オーストラリア、ニュージーランド、太平洋」および「この先の世界を形づくる大きなテーマ――不安、希望、判断」について考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆ アメリカ合衆国:偉大なグローバルリーダーを維持
◆ ヨーロッパ:夢は遠のく、ロシアは茨の道、トルコは不安定
◆ アジア:中華圏の復活、インドは険しい、日本は高齢化社会のパイオニア
◆ 中東・アフリカ:世界最速の経済成長
◆ オセアニア:幸運な国は2つに
◆ 10の不安:①アメリカの政治体制が崩れる、②中国、インド、アメリカの関係悪化
◆ ③ロシアが強く出過ぎる、④アフリカは分婚を抜け出せない、⑤宗教紛争が勃発
◆ ⑥環境悪化と気候変動、⑦コロナ以後の新たな脅威、⑧中東がさらに不安定化
◆ ⑨情報革命の弊害、⑩民主主義への脅威
◆ 10の考え方:①中間層の世界、②アメリカは穏やかに自信を深める
◆ ③アングロ圏の台頭、④中国は攻撃から協調へ、⑤EUは中核国と周辺国に分離
◆ ➅インド圏は明るい未来が近い、⑦アフリカの重要性高まる
◆ ⑧グローバル化はアイデアと資金に、⑨テクノロジーが社会課題を解決
◆ ⑩人類と地球のより調和のとれた関係
この本の締めくくりとして著者は、「本書の経済予測の核となったのは、故アンガス・マディソンのビジョンであり、ほんとうに大きな視点を与えてくれた。」と述べています。
あなたも本書を読んで、2050年の世界を予測した「見えない未来の考え方」を学び、これからのビジネスや生き方に活かしていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3282日目】