書評ブログ

『定年後の遊び方 心理学からのアプローチ』

「定年後はさまざまな圧力から逃れ、思う存分生活を楽しみ、かつ純粋に遊ぶことができる時期でもある。やっとたどり着いたこの時期に充分に遊べることは人生の最後にもらった大きなプレゼントだ。」と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、1952年大阪府生まれ、大阪大学文学部を卒業後、大阪大学大学院人間科学科教授などを経て、現在は大阪大学名誉教授、博士(人間科学)、専門は基礎心理学、動機づけ心理学赤井誠生さんが書いた、こちらの書籍です。

 

赤井誠生『定年後の遊び方 心理学からのアプローチ』(毎日新聞出版)

 

 

この本は、「どのようなときに遊びたくなるのか」、「どのようなものが面白いのか」、「どうすればずっと面白く遊んでいられるのか」等に関する心理学的知識を用いながら定年後の遊び方について具体的に紹介していくことを目的に書かれたものです。

 

 

本書は以下の9部構成から成っています。

 

1.定年後の自由はちょっと怖いかもしれない

2.定年後は遊びたくなる

3.私たちは情報が大好きだ

4.驚きで遊ぶ

5.曖昧さで遊ぶ

 

6.新しさで遊ぶ

7.変化で遊ぶ

8.驚きと曖昧さと新しさと変化の関係は

9.自分で勝手な目標を立てて遊ぶ

 

 

この本の冒頭で著者は、「なぜか定年後の生活に対しては不安になる。」「その不安の根元にあるのはおそらく苦労を重ねてやっと手にした自由だ。」「その自由の中でなにをしたらいいのかわからないことからくる不安だ。」と述べています。

 

 

本書の前半では、「定年後の自由はちょっと怖いかもしれない」「定年後は遊びたくなる」および「私たちは情報が大好きだ」について著者の考えを紹介しています。主なポイントは次の通り。

 

◆ 自分でものを考え、感じ、話すことほど、誇りと幸福をあたえるものはない

◆ 私たちには基本的欲求と社会的欲求がある

◆ 老化の中でいかに楽しく毎日を過ごすか

◆ 遊びを引き起こすのは、内発的動機づけ

◆ 内発的動機づけを高めるのは「自己決定性」と「自己有用性」

 

◆ 定年後は、自己決定ざんまい

◆ アイデアを思いつくのは3B(Bus、Bath、Bed)などリラックス時

◆ 私たちは情報が大好き

◆ 好奇心を持って見たがるのは、驚き、不一致、曖昧さ、新しさ、変化、複雑さ等

 

 

この本の中盤では、「驚きで遊ぶ」「曖昧さで遊ぶ」「新しさで遊ぶ」および変化で遊ぶ」について、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 予期しない知識に出会った時に驚き、面白さが湧き、自発的に考えを深める

◆ 人を驚かせて面白がる「いたずら」

◆ 定年後の生活に対する不安も「曖昧さ」が大きすぎるため

◆ 人生や生活にも「賭け」があるから面白い

 

◆ 旅行は「新しいもの」だらけ

◆ 丸暗記の知識ではなく、知識をいかにうまく使いこなせるかが「知性」

◆ 季節の変化、株価の変化を楽しむ

◆ 心の変化、自分の変化による変化を楽しむ

 

 

本書の後半では、「驚きと曖昧さと新しさと変化の関係は」および自分で勝手な目標を立てて遊ぶ」をテーマに考察しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ テレビ、ネット、本、ゲームは驚き、曖昧さ、新しさ、変化の宝庫

◆ 驚き、曖昧さ、新しさ、変化はすべて「ズレ」だから面白い

◆ 目標を立てることは面白さを高める

◆ 夢中になるフロー状態は、➀自主的に行う、②適度な難易度の2点が条件

◆ 何らかの知識を得るための行為を「知的好奇心」という

◆ 学びと遊びは表裏一体

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「定年後の人々には『大人の遊び』というテーマは重要なものになるはずだ。」と述べています。

 

 

あなたも本書を読んで、心理学からのアプローチによる「定年後の遊び方」を知り、実践してみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2708日目】