新型コロナウィルスが中国で発生、拡大した歴史的背景を明らかにし、これまでの歴史でも中国発の疫病が世界の歴史を大きく動かしてきたことを、歴史、民族性、文化、政治などさまざまな観点から考察している本があります。
本日紹介するのは、1938年台湾生まれ、早稲田大学商学部卒業、『中国の没落』が大反響を呼んで評論活動に入り、多数のベストセラー著書を生み出している黄文雄さんが書いた、こちらの書籍です。
黄文雄『新型肺炎 感染爆発と中国の真実 中国五千年の疫病史が物語るパンデミック 』(徳間書店)
この本は、世界の歴史を動かしてきた中国の疫病史をもとに新型コロナウィルス感染症拡大の行方と影響を分析している書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.新型肺炎はなぜ中国で発生し、世界に拡散したのか
2.世界史を変えてきた中国発パンデミック
3.疫病拡散の温床となる中国の社会風土
4.ずさんな中国の医療衛生の実態
5.新型肺炎「COVID-19」が世界に与える影響
6.中国発の脅威にどう対処すべきか
この本の冒頭で著者は、中国で疫病が発生、拡大する理由として、以下の9つを挙げています。
◆ 希薄な衛生観念
◆ 儒教からくる家族主義・自己中心主義
◆ ニセモノ文化
◆ 多すぎる人口
◆ 何でも食べる食文化
◆ 農村などでの人畜共棲
◆ 秘密主義、隠蔽主義
◆ 皇帝制度、一党独裁
◆ 不完全な医療制度
それぞれの理由について、本書では詳しく具体例を挙げて解説していますが、日本人の感覚からすると信じられない実態が、とくに中国の農村部にはあります。
これまでの中国における疫病拡大の歴史を踏まえたポイントは以下の通りです。
◆ 2003年のSARSでは、ウィルスの宿主であるキクガシラコウモリから感染したハクビシンが市場で売られ、食べた中国人から感染が拡大
◆ 中国人は「4本足のものは机以外、何でも食べる」食文化
◆ 農村では人と家畜が同じ家で暮らす「人畜共棲」
◆ 自分の家族以外は信用しない儒教の伝統(他人はどうなっても構わない、ニセモノOK、垂れ流しOK)
◆ 中国のトイレの汚さは世界最悪(by 女性旅行家のイザベラ・バード)
◆ 人口過多の中国は経済格差が著しく、農村部は生きるために「共喰い」も辞さない
◆ 農村部の住民は人間扱いされないほど搾取、社会保障もない
◆ 情報統制国家で、都合の悪い情報は隠蔽
◆ 中国では医師の社会的地位が低く、農村部では病院は「治療という名目で金を搾り取るところ」として信用していない
◆ 北京など都市部でも診療費の自己負担率45%と高く、病気になっても病院へ行かない
今回の新型コロナウィルスも、感染源とされる華南海鮮卸売市場から多数検出されており、新感染症の原因となるウィルスの多くが動物を自然宿主としていて、野生動物の人間社会への持ち込みが、中国でなされていることが発生の理由だ、と著者は説明しています。
また、WHOのテドロス事務局長が、中国の対応を賛美して、「緊急事態宣言」が遅れるなど、中国寄りの姿勢が強く批判されていることを指摘しています。
テドロス事務局長の母国・エチオピアは中国から巨額のインフラ投資を受けており、テドロス事務局長は中国の王毅外相とも親しい、と言われています。
また、WHOは台湾を徹底的に排除する中国の姿勢を全面支持しており、多くの批判を受けています。
本書の最後で著者は、「新型肺炎根絶の鍵は中国にあり」と結論づけています。
アメリカやヨーロッパの一部メディアは、中国そのものを「隔離」するのが最も効果的な方法だ、と主張しています。香港や台湾からも同様の声が上がっているそうです。
そうした基本認識からこの本では、「新たな感染症の発生と感染拡大の背景として、中国という国の体制自体に問題があることを、世界の共通認識にすべきであろう。」と述べています。
あなたも本書を読んで、「新型肺炎 感染爆発と中国の真実」について学び、対策を考えてみませんか。
2020年6月4日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第115回】新型肺炎 感染爆発と「中国の真実」にて紹介しています。
毎日1冊、ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
では、今日もハッピーな1日を!