「〆切とうまく付き合い、〆切を味方につける方法」として、スケジューリングのコツ、時間管理の方法、毎日の習慣、〆切に対する考え方まで、そのすべての「仕事術」を書いた本があります。
本日紹介するのは、毎月一冊本を書いて、一度も〆切に遅れたことがないという、ブックライターの上阪徹さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
上阪徹『〆切仕事術』(左右社)
この本は、〆切に遅れることが日常茶飯事の出版業界にあって、〆切守り率100%である著者・上阪さんのメソッドを公開したものです。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.〆切は悪なのか、善なのか
2.〆切に追われず、〆切を守る法
3.〆切とうまく付き合う方法
4.〆切を守ってもらう方法
5.〆切を味方につければ、人生はうまくいく
この本の冒頭で著者は、心理学では〆切直前になると、普段より集中力が増す「〆切効果」というものがあることを紹介しています。
そもそも〆切のない目標は実現しないし、人生にも〆切があって、「死」があるからこそ、限られた時間を生きることになり、頑張れる、と本書では指摘しています。
また、著者の本業である原稿の執筆に関しては、「原稿のクオリティ100点、〆切を守ること100点」の200点満点である、と説明しています。
出版業界は〆切を守らない人も多い業界なので、〆切を守るだけで、半分は点が取れるということです。
実際に、原稿を依頼してくる編集者の文章の好みというのは、それこそ千差万別で、「原稿のクオリティ100点」を取るというのは至難の業だ、ということです。
著者の上阪さんが〆切を守れるメソッドはさまざまありますが、最も特徴的で基本としているのが、「仕事を細分化して、自分の〆切をつくる」ということです。
具体的には、仕事をプロセスごとに細かく分解して、1時間単位の「時間割」を作成し、日々のスケジュールに落とし込んでいきます。
意外だったのは、上阪さんは「夜型」で、午前中は執筆ではなく、メール対応などの業務や、外出してのインタビュー取材に宛てていることです。
私も含めて、多くの人が朝型の仕事パターンで、とくに執筆のような知的作業は、午前中に行うことが多いのと対照的だと感じました。
また、原稿の書き方については、粗々で一旦、全体を仕上げてしまって、少し原稿を寝かせた後で推敲を重ねてよいものにしていくスタイルを取っています。
この方が〆切に遅れるリスクが少なく安心感がある、と述べています。
〆切までに何度も推敲プロセスの時間割を入れる理由について、次のように著者は言います。
「書いているときには、熱くなって前のめりになっているものです。書き手が熱くなっていることは、読者にとって必ずしもプラスではない、というのが私の考え方です。」
さらに、仕事のスケジュールの入れ方については、パツパツに入れることはなく、80%レベルで抑え、不測の事態にも対応できるようにしているそうです。
本書の少し前に出版され、著名な小説家が〆切に対処する苦闘を紹介した、『〆切本』(左右社)と対比して読むと、本書はより一層、興味深いものになるでしょう。
そして、〆切を守るための「生活習慣」としては、とくに意識しているのは、睡眠時間をしっかり取る、ということです。
また本書の最後には、まとめとして、「〆切を守るための10箇条」が掲載されていて参考になりますので、以下に紹介しておきます。
1.時間に追い詰められるのは不快だ、と自覚する
2.仕事はプロセスに分解して細切れで行う
3.プロセスごとにかかる時間を見積もり、自分で〆切を設定する
4.やらないといけないことを「時間割」にしていく
5.仕事は一気に完成させない、粗々から少しずつ精度を高める
6.早め早めにどんどんやっていく
7.自分の得意な時間帯、効率のいい時間を意識する
8.ルーティンの時間をブロックする、細切れ仕事はすぐやる
9.やる気が出ないときは10分間だけ離れる
10.効率を上げる「イノベーション」を常に考える
あなたも本書を読んで、〆切を100%守るノウハウとメソッドを学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を