難解とされるアドラー心理学を幸福学との対比でわかりやすく解説し、幸せに生きるための人類の知恵を100年分詰め込んだ本があります。
本日紹介するのは、19651年生まれ、米国アドラー大学院修士号取得、東京大学大学院教育学研究科修士号(臨床心理)取得、現在はメンタルコーチとして多くのトップアスリート、俳優、企業経営者を指導する平本あきおさんと、1962年生まれ、東京工業大学理学工学研究科機械工学専攻修士課程修了後、キャノン株式会社に勤務したのち、慶應義塾大学教授に転身して、幸福学研究の第一人者の前野隆司さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
平本あきお・前野隆司『アドラー心理学✕幸福学でつかむ!幸せに生きる方法』(ワニ・プラス)
この本は、阪神タイガース・矢野耀大監督のメンタルコーチと幸福学研究者の第一人者がアドラー心理学と幸福学の対比により、52の具体例と仮想問題でビジネスから子育てまで人間関係を人間関係を劇的に改善する「使える心理学」の決定版と言える書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.アドラー心理学の基礎=共同体感覚と5つの理論
2.アドラーの目的論は人も組織も幸せにする
3.「性格」の成り立ちと子育ての技術
4.勇気づけとアサーションの実践例
5.【対談】アドラー心理学の実践とこれからの幸せな組織
この本の冒頭で著者のひとり前野隆司さんは、本書の特徴は以下の3つだと述べています。
◆ アドラー心理学と幸福学を俯瞰しわかりやすく対応づける本であること
◆ わかりやすく役に立つ実践例を伝える本であること
◆ ふたりの著者から心を込めてみなさんに贈る本であること
本書の前半では、「アドラー心理学の基礎=共同体感覚と5つの理論」について説明しています。主なポイントは次の通り。
◆ アドラー心理学は「どうしたら幸せになれるか」に注目する工学
◆ 幸福学が目指すのも「心の工学」
◆ アドラー心理学の中核は「共同体感覚」(=①自己受容、②他者信頼、③貢献感)
◆ 幸福学の「幸せの四つの因子」はアドラー心理学の「共同体感覚」と共通
◆ アドラー心理学5つの理論は、①創造的自己、②目的論、③主観主義、④対人関係論、⑤全体論
この本の中盤では、「アドラーの目的論」が人も組織も幸せにすること、および「性格」の成り立ちと子育ての技術について解説しています。著者が挙げるポイントは以下の通りです。
◆ 目的論は原因論(悪いところ)の反対に注目して強化する
◆ 目的論は相手の立場で感じることで、楽しさ追求
◆ 原因論に原因論で対すると負の連鎖に
◆ ミスの許されない職場こそ、目的論を
◆ 人間の行動は「ライフスタイル(=性格)」と「ライフタスク=(状況・課題)」の組み合わせで決まる
◆ 人間の性格(ライフスタイル)は4つの要素(自分・世界・現状・理想)からできている
◆ 性格形成の遺伝要因と環境要因(きょうだい・親との関係)
◆ 幸せな性格を育む子育て(自立と協力)
◆ 性格のリフレーム(例外探し・肯定的意図・他者貢献)
この本の後半では、「勇気づけとアサーションの実践例」が、以下の通り紹介されています。
◆ 勇気づけとは、相手が元気になること
◆ まわりの人や自分への貢献を指摘するのが勇気づけ
◆ 勇気づけのメッセージは、過程を重視、努力に注目、個人の成長を重視
◆ 勇気づけのメッセージは、ポジティブな表現、共感する、貢献や協力に注目、感謝する
◆ 勇気づけのメッセージは、失敗も受け入れる、相手の判断等を聞く、「私メッセージ」で伝える
◆ アサーションは、アサーティブな自己表現をするためのコミュニケーションスキル
◆ ①ガマンの伝え方、②セメル伝え方、③」イヤミな伝え方でない、④ツタワル伝え方
◆ アサーションは、信頼関係が土台で、承認、感謝、貢献から成る
◆ アサーションのステップは、①私メッセージで伝える、②相手の気持ちを聞く、③理由を伝える
◆ 私メッセージでは、①事実を伝える、②気持ちとリクエストを伝える、③理由を伝える
本書の巻末には、「アドラー心理学の実践とこれからの幸せな組織」というテーマで、著者の平本あきおさんと前野隆司さんの対談が掲載されています。主なポイントは以下の通り。
◆アドラー心理学は、短時間でサクサク成果を出せる工学
◆ アドラー心理学を現場で実践するとアドラー的なコミュニケーションの「筋肉」がつく
◆ アドラー心理学、幸福学はティール組織を実現するメソッド
◆ 瞑想とアドラー心理学は親和性が高い
◆ 地球全体を共同体と発送する時代では「ビジネス=社会貢献」
あなたも本書を読んで、アドラー心理学と幸福学で「幸せに生きる方法」を学び、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2580日目】