「不条理な世界の中で、ロボットの心を作るよりも、人間の心を明らかにすべきだと思った」として、幸福の研究をした工学博士が書いたユニークな本があります。
本日紹介するのは、慶應技術大学大学院教授で、工学博士の前野隆司さんが書いた、こちらの本です。
前野隆司『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』(講談社現代新書)
この本は、ロボットや脳科学の研究をしてきた著者が、「科学技術は人を幸せにしたか?」という問いかけから始まっています。
日本の一人当たりGDPは戦後6倍に拡大しましたが、その間、日本人の生活満足度はずっと横ばいでした。
人々の幸せは(生活満足度)は、高度成長期だろうと、オイルショックだろうと、バブル景気だろうと、失われた20年であろうと、リーマンショックだろうと、あまり変わっていないのです。
そこで著者の前野さんは、たくさんの研究者による多くの幸せ研究を体系化し、幸せになるための人間の心のメカニズム全体を明らかにし、それを人々に伝えたい、という思いで研究を重ね、本書を執筆しました。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.役に立つ幸福学とは
2.幸せの研究の基礎を知る
3.幸せの四つの因子
4.幸せな人と社会の創り方
本書では、「幸福はダイエットに似ている」と指摘しています。つまり、気合でやることはできず、まずやせるメカニズムを知ってから、行動という実践で成果を出すことです。
したがって、まず、「幸福のメカニズム」を理解し、そうした知識の下に、実践をバランスさせることで成果が出るという考え方を著者は提唱しています。
本書の中心は、次の「幸せの四つの因子」を提示していることです。
1.「やってみよう!」因子
2.「ありがとう!」因子
3.「なんとかなる!」因子
4.「あなたらしく!」因子
著者の考え方は、これらは幸福な人間の「型」ではなく、多様な人が、多様な価値観を持ち、多様な目標を持つ社会で、それを推進するための目安が、この「四つの因子」ということです。
本書の巻末には、付録として、「幸福に影響する要因48項目」が記されていて、参考になります。
あなたも本書を読んで、「幸せのメカニズム」を学び、幸せな人生を実践していきませんか。
2020年3月21日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第40回】人生設計にぜひ入れたい「幸福学」とは?、にて紹介しています。
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では、今日もハッピーな1日を