「日本は超高齢社会や低欲望社会という課題を解決する方策を模索し、世界のベンチマーク(指標)となるべきだろう。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、早稲田大学卒業後、東京工業大学で修士号を、マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号を取得し、日立製作所、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、ビジネス・ブレークスルー大学学長の大前研一さんが書いた、こちらの書籍です。
大前研一『シニアエコノミー:「老後不安」を乗り越える』(小学館新書)
この本は、世界一の超高齢社会であると同時に、単身(1人暮らし)世帯が全体の4割に達しようとしている「ソロ社会」という課題先進国ニッポンは、それらの課題に対する問題解決策を世界に先駆けて提示するための政策と生き方の手引きにするためにと書かれた書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.シニア世代こそ問われる「君たちはどう生きるか」
2.「衰え続ける日本」のためにできること
3.[シニアビジネスの発想法] 最後に「いい人生だった」と思えるか
4.[マスからパーソナルへの転換] 「ソロ社会」日本の未来予想図
5.定年後も「やりたいことは全部やれ!」
この本の冒頭で著者は、「シニア世代よ、君たちはどう生きるか」と問いかけています。
本書の前半では、「衰え続ける日本のためにできること」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 2022年の日本の出生数は80万人割れで明治32年以降の統計で初めて
◆ 20代で配偶者も恋人もいない人が男性65.8%、女性51.4%
◆ 所得税の課税対象を個人から世帯にする「N分N乗方式」
◆ 改革を断行したニュージーランド経済に倣うべき
この本の中盤では、「[シニアビジネスの発想法] 最後にいい人生だったと思えるか」ついて解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 高齢化率が世界断トツの日本、団塊ジュニアが65歳になる2037年に40%に
◆ 単身世帯が4割に迫る「ソロ社会」の日本
◆ 超高齢社会が抱える問題の解決は、シニアビジネス
◆ シニアビジネスのキーワードは、終活、相続、介護、フレイル
◆ 成長産業+高利益率の医療・介護分野
◆ コロナ禍で露呈した非デジタル国家・日本
◆ 読者が一緒に作っていく仕掛けの女性誌トップ「ハルメク」
◆「買い物支援サービス」が持つ可能性
◆ 人生の最後を支えるエンディングビジネス
◆ シニアビジネスは、①シニアに寄り添う、②プレシニアから始める
◆ シニアを元気にするのは、①老後不安をなくす、②資産からキャッシュを生み出す、③人生の楽しみ方を教える
◆ 別荘地の一括マネジメント、「おひとりさま」対象のマッチングサービス
◆ 死ぬ時はゼロでいい
◆ 死ぬ瞬間に「ああ、いい人生だった」と言える生き方を
◆ 余るものがあれば寄附しよう
◆ この素晴らしい国が永続するように何でも協力しよう
本書の後半では、「[マスからパーソナルへの転換] ソロ社会日本の未来予想図」について考察しています。主なポイントは以下の通り。
◆ ポイントキャスティングの時代
◆ 低欲望社会からソロ社会へ
◆ 積極的に1人の時間を楽しむ「ソロ活」
◆ 中国発のファッションネット通販「SHEIN(シーイン)」の急成長
◆ 個別指導型学習への転換
この本は、拙著『定年ひとり起業』シリーズ3部作(自由国民社)および新著『50代 お金の不安がなくなる副業術』(エムディエヌコーポレーション)にて提唱している「トリプルキャリアで生涯現役」というライフスタイルと同じコンセプトが具体的に展開されていて強く共感しました。
この本の締めくくりとして著者は、「定年後もやりたいことは全部やれ!」「働き続ければ家計も人間関係もうまくいく」「居場所がなければ住む場所を変えよ」と述べています。
あなたも本書を読んで、「老後不安」を乗り越えるシニアエコノミーを学び、超高齢社会を活性化させる逆移転の発想法を実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3243目】