書評ブログ

『キャリアをつくる独学力ープロフェッショナル人材として生き抜くための50のヒント』

「変化の激しい時代に生きるビジネスパーソンにとって、『キャリアショック』の危機的状況に陥るリスクがいまや完全に現実のものとなり、自律的にキャリア形成していく必要性がますます高まっています。」と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、1954年東京都生まれ、東京大学工学部航空工学科を卒業、日本国有鉄道に入社、米国プリンストン大学工学部修士課程を修了し、マッキンゼー・アンド・カンパニー東京事務所に入社、世界有数の人事組織コンサルティングである米国ワイアットカンパニーの日本法人ワイアット株式会社に入社、同社代表取締役社長に就任、1997年に社長を退任後、個人事務所ピープルファクターコンサルティングを通じてコンサルティング活動を行う中で、2000年に慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授に就任、同特任教授を経て、現在は慶應義塾大学SFC上級研究員髙橋俊介さんが書いた、こちらの書籍です。

 

高橋俊介『キャリアをつくる独学力ープロフェッショナル人材として生き抜くための50のヒント』(東洋経済新報社)

 

 

この本は、独学力が注目されるようになった背景、仕事とキャリアと学びとの有機的な関係性、独学力を高める意味合い、独学の主たる目的の一つである「専門性コンピタンシー」の強化の仕方、独学の進め方など、独学に関する「Why」「What」「How」に応えるものです。

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

1.「仕事」と「学び」を根本から変える5つの大変化─いま起きている変化と問題の本質

2.目指すは「キャリア」「仕事」「学び」

3.独学力を高めるとは、どういうことか

4.一流の独学者の事例に学ぶ独学の作法と意味

5.自分自身の「専門性コンピタンシー」を強化せよ

6.リベラルアーツを学ぶ意味と基本的な作法─リベラルアーツは、独学と世界観の出発点

7.独学を実践するためのヒント─個人は独学をどう進めればいいのか

 

 

この本の冒頭で著者は、「”仕事自律” と ”キャリア自律”、ここにもうひとつの要素が加わると、三位一体の良循環が生まれます。それが ”学び自律” です。」と述べています。

 

 

本書の前半では、「仕事と学びを根本から変える5つの大変化─いま起きている変化と問題の本質」および目指すはキャリア、仕事、学び」について、以下のポイントを解説しています。

 

◆「その仕事がいつなくなるのか」の予測が難しい(AIによる代替)

◆「人間が担うべき仕事」も内容が大きく変化する

◆ ビジネスモデルの転換で、個人のキャリアも変化

◆「第一線の仕事の単純化+組織内タテ流動」の構造が変化

◆「学びの主体性」が低いと、変化に対応できない

 

◆「タテ型OJT」から「ヨコの学び合い」へ

◆ 日本型雇用特有の3つの「無限定性」(➀職務内容、②勤務地、③労働時間)

◆ メンバーシップ型雇用の本質は、「タテ社会」と「安心社会」

◆ ヨーロッパやインドの階級社会は「ヨコ社会のタテ構造」

◆ 閉鎖的な「安心社会」と、開放的な「信頼社会」

 

◆「タテ社会」かつ「安心社会」の特徴を活かした日本の自動車業界もEVやCASEで「信頼社会」への転換へ

◆ 目指すは「個人主導」による柔軟な「学び」「仕事」「キャリア」

◆ 自分の「勝負能力」(=内的動機にドライブされて発揮)を仕事に活かす

◆ クランボルツ教授の「プランドハップンスタンス・セオリー」で大切な「チャンスを活かすよい習慣」

◆ 経営の視点からも社員の「キャリア自律」の推進が重要に

 

 

この本の中盤では、「独学力を高めるとは、どういうことか」および一流の独学者の事例に学ぶ独学の作法と意味」について考察しています。主なポイントは次の通り。

 

◆ ビジネスモデルは、野球型組織からサッカー型組織へ

◆ 1人ひとりの「オーナーシップ」を重視する

◆ 独学力の高い人の3つの特徴(➀外向きのタテ、②楽しさと意味を感じる学び、③正解のない課題に対する「自論」の力を重視する学び)

◆「信頼社会」へ移行する「外での他流試合」を

◆ 変化の時代に重要な「応用力」につながる普遍性の高い学び

 

◆「仕事自律」に不可欠な「応用力」を高める「チャンクアップ・チャンクダウン 思考」の習慣

◆ リベラルアーツの知識が思考の補助線となり、普遍性の高い学びに

◆ 問題意識の継続が「ひらめき」を呼ぶ

◆ 数学的発見の4つのステップ(➀準備、②孵化、③解明、④検証)

◆ 成績評価制度「GPA」の高い学生は、「普遍性の高い学び」をする

 

◆ 事例1:堀口俊英(スペシャルティ珈琲の研究)

◆ 事例2:佐伯夕利子(サッカー指導者によるチーム牽引)

◆ 事例3:鵜野将年(パワーエレクトロニクス研究)

◆ 事例4:田中瑠津子(フリーランスのPR)

◆ 事例5:秋元雄史(創造性と独学)

◆ 事例6:石山恒貴(キャリア自律と独学)

 

 

本書の後半では、「自分自身の専門性コンピタンシーを強化せよ」「リベラルアーツを学ぶ意味と基本的な作法─リベラルアーツは、独学と世界観の出発点」および独学を実践するためのヒント─個人は独学をどう進めればいいのか」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ 専門性へのコミットにより高い成果を継続的・安定的に出せる専門的知見、行動能力、思考能力を「専門性コンピテンシー」という

◆ 自分の「専門性コンピタンシー」を可視化して強化

◆「専門性コンピタンシー」を学び合う「ヨコ型のコミュニティー」

◆ 3つの専門性(①実務的専門性、②体系的専門性、③先端的専門性)

 

◆ 先取りして勉強して自分の専門性にする「先物キャリア」

◆ 歴史は繰り返さないが韻を踏む(by マーク・トウェイン)

◆ 独学者同士の「専門性コミュニティ」に参加

◆ キャリアの「背骨」になる専門性のテーマを持つ

◆ キャリアや人生のリポジショニングが求められるミドル・シニアこそ独学を

 

◆ 組織の中での位置、周囲からの評価など、セルフブランディングをしてみる

◆ 周囲や顧客にどんな価値を提供するか再定義してコミットメントする

◆ ミドル、シニアこそ、独学により自らの「専門性コンピタンシー」にコミット

◆ 自分の内的動機と価値観を再確認し、提供価値に「自分らしさ」を(=セルフブランディング)

 

◆ 内的動機にドライブされ手発揮される「勝負能力」「強み」「大切にしたい価値観」を整理して確認するのが「キャリア自律」の基本

◆ ミドル、シニアこそ、メタ認知による行動変容が必要

◆「越境学習」や「兼業副業」も

◆ ライフシフト・ジャパンが提唱する自分の人生の主人公として生きていくための「人生のオーナーシップ」

 

◆ 独学と世界観の出発点となるリベラルアーツ

◆ リベラルアーツを学ぶ最重要ポイントは、異質な分野間の関係性に気づくこと

◆「安心社会」では武士道、「信頼社会」では商人道が倫理となる

◆ 日本の現場力の原点は「キャリア自律」

◆ ダイバーシティがイノベーションを起こす

 

◆ ステップ1:内省と棚卸しで気づきを得る

◆ ステップ2:「学びのWhat」を見つける

◆ ステップ3:「学びのHow」の基本を知る

◆ ステップ4:「学びの普遍性」を高める

◆ ステップ5:「学びのコミュニティ」を活用する

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「学びは日常の中にある」と述べています。また、15年前から、沖縄の那覇にも事務所兼住居を持っていて、1年のうち3割は沖縄で暮らしながら仕事をしていることを紹介しています。

 

 

本書で解説している「仕事自律」「学び自律」「キャリア自律」のコンセプトは、拙著『定年ひとり起業』『定年ひとり起業マネー編』(いずれも自由国民社)にて私が提唱している「トリプルキャリア」により自分が主役の人生を目指す「生涯現役のライフスタイル」とほとんど同じ考え方で、深く感銘を受けました。

 

 

本書の巻末には、【特別付録】独学力を高めるリベラルアーツのための読書案内が掲載されていて参考になります。

 

 

あなたも本書を読んで、生活のすべてにおいて独学力を身につけ、主体的に学ぶことで人生のオーナーシップを取り戻し、より豊かな人生を送ってみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2893日目】