「起業家や起業に興味を持つ人は30代以下で約43%を占めていますが、50代以上も約27.7%と約3割を占めるほどになっています。かつてのように定年まで勤めあげて、その後は年金生活でのんびり暮らすという日本式の生活様式が変わりつつあることを物語っています。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、大阪府出身で、国税庁で10年間、法人税担当調査官として勤務し、退職後に経理事務所などを経て、フリーランスのライター・作家となり、執筆、ラジオ出演、連続ドラマの監修など幅広く活躍している大村大次郎さんが書いた、こちらの書籍です。
大村大次郎『サラリーマンのための起業の教科書:損しないフリーランスの極意』(小学館新書)
この本は、サラリーマンが起業するときにぜひ知っておいた方がいい情報を集めた教科書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.起業する前に副業で肩慣らし
2.得する税金の話をぶっちゃける!
3.知らないと損する社会保険
4.忌々しい消費税との付き合い方
5.「法人成り」は超オイシイ
6.賢くお金を調達しよう
この本の冒頭で著者は、起業する際に生じる次のような疑問の数々にお答えし、よりスムーズに起業していただこうという趣旨で本書を著したと述べています。
◆「どういう起業の仕方が成功する?」
◆「副業の税金はどうすれば得をする?」
◆「確定申告って素人でもできるの?」
◆「会社を辞めたら社会保険はどうすればいい?」
◆「起業するときのお金はどうやって調達すればいい?」
本書の前半では、「起業する前に副業で肩慣らし」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 今の仕事を生かした起業は成功しやすいが落とし穴も多い
◆ しっかりした技術と顧客の目論見が成功のカギ
◆ まずは副業で事業の全体像をつかむ
◆ 今の知識や技術を生かしながらアレンジを
◆「新しい分野での起業」は予行演習が必須
◆ SNSを駆使する
◆ フランチャイズは超キケン
◆ サラリーマンでも事業所得で申告できる
この本の中盤では、「得する税金の話をぶっちゃける!」および「知らないと損する社会保険」について解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 青色申告が合う人、合わない人がいる
◆自宅家賃もおおむね6割程度を経費にできる
◆ 仕事のためだけに部屋を借りれば、家賃全額が経費に
◆ 減価償却を理解できれば節税策が広がる
◆「起業前から所有していた資産」を事業資産に組み入れる方法も
◆ 収入の波が大きい業種の適用される「変動所得の特例」
◆ フリーランスになると社会保険料は倍増
◆「国民年金基金」は終身年金にもなり得る
◆ 国民年金基金、個人型確定拠出年金、小規模企業共済を有利に使い分ける
◆ 収入が多い年には社会保険料をたくさん払う
本書の後半では、「忌々しい消費税との付き合い方」「法人成りは超オイシイ」および「賢くお金を調達しよう」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 事業者の大きな負担になる消費税
◆ 事業者の負担を増すインボイス制度
◆ 消費税の計算を簡略化できる「簡易課税」
◆「会社をつくる」とダイナミックな節税ができる
◆ 法人税が会社の税金のベースになる
◆ 経営者、役員にボーナスは払えない
◆ 福利厚生費の範囲はかなり広い
◆ 会社の「借り上げ社宅」という仕組み
◆ 公的な金融機関を使う
◆ 65歳以上の人を雇用すれば年90万円もらえる
本署で解説しているフリーランス(個人事業主)および会社の節税策について、私も拙著『定年ひとり起業』(自由国民社)および『定年ひとり起業マネー編』(自由国民社)にて具体的な実践法を紹介していますので、ぜひ併せてお読みください。
この本の締めくくりとして著者は、「サラリーマンはみな起業の準備を目指すべきだ」と述べています。「起業を目指し、起業の準備をしておくべき」ということです。
あなたも本書を読んで、損しないフリーランスの極意を学び、会社員の間に起業を目指して準備を始めてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2961日目】