「どこかネガティブで難しく捉えられるる副業のイメージを変えたい。」「最新のITを駆使しながら、誰でも楽しく稼げるようになってほしい。」という目的を持って書かれた本があります。
本日紹介するのは、2009年にサラリーマンをしながら不動産投資を始め、2014年に退職、今では20あまりのキャッシュポイント(物品販売、太陽光発電、大学講師、コンサルティングなど)を持ち、年間収益1億円を超える、副業アカデミー代表で明治大学リバティーアカデミー講師の小林昌裕さんが書いた、こちらの書籍です。
小林昌裕『サラリーマン副業2.0 人生が好転する「新しい稼ぎ方」』(PHPビジネス新書)
この本は、「アマゾン物販」や「クラウドソーシング」を使ったネット副業、「ウーバーイーツ」の宅配、「ソーシャルレンディング」など、さまざまな副業を紹介し、比較的ライトにできる初心者向けの副業から始めて、徐々に副業の幅を広げていくことを勧めている本です。
本書は以下の11部構成から成っています。
1.はじめに-あなたは「今が絶頂!」と言えますか?
2.できるビジネスパーソンは副業を始めている~「人生100年時代」と副業
3.100人に1人の成功者になるために必要なこと~接待に外せない「心構え」
4.「最初の一歩」はサイト登録から始めよ~タイプで選ぶ「副業モデル大全」
5.自分のペースで自由に稼ぐ最先端の働き方~超簡単!「ウーバーイーツ副業」
6.趣味や特技、スキルを売って楽しく稼ぐ~一度はやりたい!「オモシロ副業」
7.貯金、投資信託より絶対にお得!「ソーシャルレンディング」~損せず儲ける「マネオ投資術」
8.「安く買って、高く売る」最高の “ 宝探し ” ~「アマゾン物販」のマル秘ノウハウ
9.副業が本業にもプラスになる~スキルとマインドが高まる「副業の力」
10.思考と行動を変えればすべてうまくいく~副業成功者が実践する「12の習慣」
11.おわりに-副業を志すすべての人に伝えたいこと
この本の冒頭で著者は、副業を取り巻く社会環境に触れ、なぜあなたが「危機意識」を持たなくてはいけないかを解説しています。
それは、2018年は「副業元年」と言われ、大手企業がこぞって副業解禁に動き出し、政府主導で副業が推進されるようになったことです。
象徴的なのが、2018年1月に厚生労働省が方針転換し、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成、副業の壁だったモデル就業規則の「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定を削除し、「原則的に副業を認めるべきだ」として副業解禁に舵を切りました。
またすでに副業を認めている大手企業として、ソフトバンクグループ、新生銀行、ユニ・チャーム、ロート製薬、コニカミノルタ、ソニー、花王、三菱自動車などを紹介しています。
通商産業省の試算では、「正社員になり定年まで勤め上げる」という生き方は、1950年代生まれ(私は1958年生まれ)では34%だったのに対し、1980年代生まれでは27%だそうです。
また「結婚して、出産して、添い遂げる」という女性の生き方は、1950年代生まれで81%いたのに対して、1980年代生まれでは58%にとどまります。
つまり、「昭和型キャリアプラン」や「昭和のモデルケースのような家庭」は、人生100年時代となった現代では、終焉を迎えてもはや成り立たないということです。
さらに本書では、これまでの定年年齢の引き上げ経緯と今後の予測を以下のように整理・解説しています。
◆ 1980年代まで: 定年55歳
◆ 1986年の高齢年齢者雇用安定法: 定年60歳(努力義務)
◆ 2000年の法改法: 定年65歳(努力義務、60歳義務化)
◆ 2012年の改正法: 定年65歳(義務化)、大半は60歳時に再雇用
◆ 2020年代の改正法(予測): 定年70歳(努力義務)⇒ 義務化 ⇒ さらに定年75歳へ
また平均寿命も延び続けているため、今の40歳代の世代が年金を受け取れるのは、75歳~80歳ではないか、と著者は予測しています。
そうなると、人生100年時代においては「健康な人であれば80歳ぐらいまで働き続けるのが当たり前になる」と著者の小林昌裕さんは述べています。
これまでの「教育⇒仕事⇒引退」という「昭和型キャリアプラン」が崩れ、会社だけの人間関係ではなく、趣味や副業など多様なコミュニティを持つ人だけが人生を謳歌できる、とこの本では提唱しています。
ではまず何から始めるか。著者は、まずは「心構え」が大切であり、ポイントは次の「5つの心構え」だと提示しています。
1.半年から1年後に達成できるワクワクする目標を決める
2.目標を達成したら、景色が変わるという期待感を持つ
3.取れる範囲のリスクを取って、とにかく一歩を踏み出してみる
4.自分のためになる嫌なことを、3回に1回やってみる
5.摩擦を恐れない
なぜ、「心構え」が大事なのか。それは、何事も「継続する力」が大切で、そのためには手段にこだわるよりも「心のあり方」がポイントになるからです。
続いてこの本では、「資金が多い・少ない」および「勇気が有る・無い」の2つの軸で「4つのタイプ」に分類した「タイプ別副業マトリックス」を紹介しています。
そこでまず初心者にオススメの副業として、実働系として以下の3つを挙げています。
◆ ウーバーイーツ(レストランの料理を配達)
◆ ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング、年利5~8%)
◆ アマゾンを使った物品販売
次に中級者・上級者向けの副業として、以下のような副業を本書では紹介しています。
◆ 人に伝えるビジネス(有料メルマガ・有料ブログ・セミナー・教材販売などを使った情報発信)
◆ 仮想通貨
◆ 株式投資
◆ 不動産投資
そのほか、最初に始めるなら「クラウドソーシング」のサイト登録をして、自分のスキルやノウハウを売る実働型副業があります。
クラウドソーシングは、クラウドワークス、ランサーズ、ジョブハブ、シューマツワーカー、コデアルなど、多くの企業がサービスを展開しており、登録者も活用企業も増え続けています。
本書の中盤以降では、具体的な副業の実際について、細かく紹介をしています。興味ある方はぜひ、この本を手に取って確かめてください。
この本の後半では、副業が本業にもプラスになる理由を解説しています。実際に副業の経験により、人間関係やコミュニケーション能力がいい方向に変化する人が多いのです。
また世の中の変化のスピードについていく、という意味でも副業は有益です。
最後に、副業成功者が実践する「12の習慣」を以下の通り、紹介しています。
◆ 時代の変化に期待する
◆ ベストな選択肢をつくり出す
◆ お金を儲けることは「ありがとう」の対価と「考える
◆ 「思い遣り」「誠実さ」「実績」のバランスを保っている
◆ モノを買うのが早い、入金が早い
◆ コンビニでお釣りを寄付する
◆ ポジティブな気持ちでお金を使う
◆ 少し背伸びをして買い物をする
◆ 批判や文句、陰口に流されない
◆「楽観的⇒悲観的⇒楽観的」に実行する
◆ 深く考えすぎない
◆「失敗は自分のせい、成功は人のおかげ」と考える
いずれも「まさにその通り」と思える習慣です。とくに印象に残ったのは、10番目の習慣に挙げられた「楽観的に行動する」というところで、アントニオ猪木が引退式で詠んだ一休宗純の次の言葉です。
「踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ」
さらに、ハーバード大学「非公認」の教訓として、示唆に富んだ20項目が紹介されています。含蓄の深い言葉が並び、人生の指針となります。
また巻末に「特別付録」として一押し「クラウドソーシング」一覧が掲載されていて参考になります。
あなたも本書を読んで、人生が好転する「新しい働き方」として、副業について考え、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!