書評ブログ

『「お茶」を学ぶ人だけが知っている 凛として美しい内面の磨き方』

「長年茶道を学んでいることもあり、日常において多少のことでは動じたりしませんが、小さい頃は弱虫で泣き虫、典型的な引っ込み思案でした。」と述べて、「お茶」が著者に教えてくれたことをわかりやすく説明してくれる本があります。

 

 

本日紹介するのは、和の教養や精神を身につけて、世界で活躍したいビジネスパーソンに対して、日本の伝統文化や茶道、和の作法で支援するグローバル茶道家で、株式会社茶禅 代表取締役、一般社団法人国際伝統文化協会 理事長、日本伝統文化マナー講師、茶道裏千家 教授竹田理絵さんが書いた、こちらの書籍です。

 

竹田理絵『「お茶」を学ぶ人だけが知っている 凛として美しい内面の磨き方』(実務教育出版)

 

 

この本は、40年近くの間茶道を学び、生活の中で実践し続けてきた著者が得た「置かれた環境に左右されることなく、心穏やかに日々を過ごす」「周りの声や自分の感情に左右されず、今、そしてこれからなずべきことを冷静に考え、たゆまずやり続ける」ための考え方をおすそわけするつもりで書かれた書です。

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

1.一杯のお茶で、自分と相手の心を満たす

2.ささいなことで折れない「心」を育てる

3.逆境に負けない「生活力」を育てる

4.どんな時も美しい「所作」を育てる

 

5.選ばれる人になる「コミュニケーション力」を育てる

6.世界に通用する「和の知識」を育てる

7.500年受け継がれる「お茶の言葉と禅語」を心に育てる

 

 

この本の冒頭で著者は、「茶道で身につく7つのこと」を以下の通り挙げています。

 

◆ おもてなしの心(コミュニケーション力)が身につく

◆ ストレスを受け流す力が身につく

◆ マインドフルネス(瞑想)習慣がつく

◆ 立ち居振る舞いが美しくなる

◆ 体験しながら和の文化に詳しくなれる

◆ 心が整い、周りに流されない自分軸と自己肯定感が生まれる

◆ お茶の効果で健康・美肌になれる

 

 

続いて、「忙しい時やイライラする時こそ、一杯のお茶を丁寧に点てて飲むことで、心がすっきりと晴れ、リセットされるのです、」と述べています。

 

 

本書の前半では、「一杯のお茶で、自分と相手の心を満たす」、「ささいなことで折れない心を育てる」および逆境に負けない生活力を育てる」をテーマとして解説しています。主なポイントは以下の通りです。

 

◆ お客様を察する心、思いやる気持ちが、おもてなしの真の姿

◆ 目の前のことにだけ意識を集中させる

◆ 自分の心と向き合う

◆ 感謝する心になる

◆ 誠実な心、裏表のない心になる

 

◆ 季節を取り入れる

◆ 語感を磨き、感性が豊かになる

◆ 執着しない

◆ 今を大切に、気付いた時に行動する

◆ 侘び寂びの美を知る

 

 

この本の中盤では、「どんな時も美しい所作を育てる」、「選ばれる人になるコミュニケーション力を育てる」および「世界に通用する和の知識を育てる」ことについて、以下のポイントを説明しています。

 

◆ 重心をd丹田におき、落ち着きを感じる

◆ 一本の線上を伝うように歩く

◆「和顔」でいて、優しさを感じる

◆ 大切なお道具は両手で扱う

 

◆ 自分から挨拶をする

◆ 自分の話は3割、相手の話を7割、聞き手上手は好感度が高まる

◆ 違う意見や価値観にも耳を傾ける

◆ 相手の身になれる人は人望が集まる

 

◆ 世界に誇る日本の民族衣装「着物」

◆ 和紙や墨、漢字の魅力を知る「書道」

◆ 少ない枝数で表す美学「華道」

◆ 繊細で美しい「和食」

◆ 枯山水の精神を知る「庭園」

 

 

本書の後半では、「500年受け継がれるお茶の言葉と禅語を心に育てる」について考察しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ 明珠在掌(大切な宝物はすでに自分の手の中にある)

◆ 行雲流水(流れに逆らわず運命に任せてみる)

◆ 日々是好日(毎日がかけがえのない大切な一日)

◆ 一期一会(日々の出会いを大切にする)

 

◆ 和敬静寂(柔和で穏やかな心で過ごす)

◆ 一座建立(心地よい場を作る)

◆ 放下着(一切の思い込みを捨ててみる)

◆ 鉢と紅梅(機転を利かせる)

 

◆ 知足安分(自分が満たされていることを知る)

◆ 一行三昧(ひとつのことに専念する)

◆ 歩歩是道場(毎日を丁寧に生きる)

◆ 脚下照顧(自分の足元を見て、心を整える)

 

◆ 見性成仏(曇りのない目で、人の良いところに気づく)

◆ 安閑無事(平凡な日常にこそ価値がある)

◆ 一切唯心造(すべての不安を造るのは自分の心)

◆ 行解相応(理解するだけでなく、行動することで道は開ける)

 

 

この本の締めくくりとして著者は、茶道と「守・破・離」について考察を記しています。

 

 

2022年は千利休の生誕500年となる記念の年です。およそ500年の間、脈々として続いている茶道。そして、千利休の次の言葉を紹介しています。

 

「渇きを医するに止まる」(お茶は喉の渇きだけでなく、心の渇きも癒す)

 

 

あなたも本書を読んで、「お茶」を学ぶ人だけが知っている「凛として美しい内面の磨き方」を学び、人生に生かしてみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2678日目】