書評ブログ

『男性漂流 男たちは何におびえているか』

10年以上も男性が抱える悩みや問題を取材して描いた女性ジャーナリストの本があります。

 

 

本日紹介したいのは、ジャーナリストの奥田祥子さんが書き、読者から共感の声が続々と届いている、ベストセラーとなった、こちらの本です。

 

 

奥田祥子『男性漂流 男たちは何におびえているか』(講談社+α 新書)

 

 

この本は、週刊誌の取材として、「男性の晩婚・非婚化」から「更年期障害」、「職場の問題」、「夫婦・親子関係など家庭の問題」などについて、男性の抱える悩みや問題を、長期にわたって継続観測してきたレポートです。

 

 

1対1の対面でのインタビューを、1回で終わらせることなく、かなりの期間を空けて継続して取材し、その後の経過を丹念に追いかけることで、一人ひとりの男性の実像や悩みがリアルに分かります。

 

 

多くの読者の共感を呼んでベストセラーとなったのは、丹念な継続取材と、男性の本音を引き出す著者の「魅力」や「人間力」の結果だろうと感じます。

 

 

 

本書は、以下の「5つのテーマ」に分類・整理して書かれています。

 

 

1.結婚がこわい

 

2.育児がこわい

 

3.介護がこわい

 

4.老いがこわい

 

5.仕事がこわい

 

 

これらのテーマはまさに、現代社会において誰もが抱える問題であることが特徴です。

 

 

まずは、男性の「晩婚化」、「非婚化」について、マスコミによる記事やや自治体の取り組みなどで注目される「婚活」「街コン」の実態を採り上げています。

 

 

また続いて、「イクメン」を取り巻く状況や、親の介護のために離職して貧困化する問題が描かれます。「ケアメン」という言葉も生まれ、介護は今や女性よりも働き手の男性が担う割合が増えている、ということです。

 

 

さらに、男性の更年期障害アンチエイジングに過剰執着してしまう問題も採り上げられ、性機能の復活についても多くの体験談が述べられています。

 

 

最後に、職場の問題について、「成果主義」と言う名の、「人件費削減」のみを目的とする「人事評価制度」の問題点が描かれ、「職場うつ」「自主退職」に追い込むリストラの実態が語られています。

 

 

本書の最大の特徴である、一人ひとりの男性に対して数年から10年もの長期間にわたる継続取材、すなわち「定点観測ルポ」になっている点は、ほんとうに読み応えがあります。

 

 

10年余りの間に取材に協力した男性は200名を超え、その半数は複数回のインタビューを重ねた、と言います。

 

 

まさに本書は、その膨大なインタビューの集大成とも言える書で、男性のみならず、女性の方々にも、現代社会が抱える矛盾がどのように男性を蝕んでいるかがリアルに分かるので、ぜひ一読をお薦めします。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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