「100年時代、できれば生涯現役でいたい。」「大切なのは、いつでも戦える、どこでも勝てる『スキル』を確実に磨いておくことだ。」と提唱して、会社や業界が変わってもすぐ活躍できる人の「104のスキル」を整理・解説している本があります。
本日紹介するのは、1993年設立で経営支援・人材育成を専門とする実践重視のコンサルティング会社である株式会社HRインスティテュートの常務取締役・シニアコンサルタントの三坂健さんをはじめ、同社の人材育成コンサルタント8名が執筆した、こちらの新刊書籍です。
HRインスティテュート『人材育成コンサルタントが本気で考えた 全員転職時代のポータブルスキル大全』(KADOKAWA)
この本は、「働き方改革」が進み、生産性向上が求められる中で、「誰もが転職する」可能性があることを念頭に働く時代を「全員転職時代」と呼び、「どこでも、いつでも必要とされる人材になるために必要なスキルや考え方」を解説している書です。
本書は、ビジネススキルを8つのグループにしたカテゴリーごとに、以下の8部構成から成っています。
1.【戦略思考編】柔軟性こそが最強の武器である
2.【コミュニケーション編】どこでも誰とでも繋がれる「人間力」を磨く
3.【目標設定編】「人が共感する」目標を設定せよ
4.【分析編】「人間だからできる」分析力を研ぎ澄ます
5.【時間管理編】最短の時間で最高の成果を手に入れる
6.【メンタル編】「一緒に働きたい」と思われるマインドを磨く
7.【リーダーシップ/チームビルディング編】「どこでも、誰とでも」成果を生み出せる
8.【ライフハック編】「小さな準備」が巨大な成果の差を生む
この本の冒頭で著者は、「これからは肩書や経験だけで成果をあげたり、モノを言わせられる時代ではない。」と述べています。
経験から得られたスキルや考え方、人脈など、「持ち運びができるもの」をどれだけ備えているかが価値となり、「ポータブルスキル」が備わっている人は、場所を変えても難なく活躍できる、ということです。
本書を執筆している計8名の人材育成コンサルタントは、以下の経歴の通り、全員が転職経験者であり、その経験から培ったノウハウがこの本に凝縮されています。
◆ 三坂 健: 安田火災海上保険(現・損害保険ジャパン日本興亜)より、HRインスティテュートへ
◆ 虎谷 秀信: 全国銀行協会、ライブドア、ビジネス・ブレークスルーを経て、HRインスティテュートへ
◆ 江口 瑛子: 外資系企業のセンリャクコンサルタントより、HRインスティテュートへ
◆ 塚田 泰弘: 総合化学メーカーより、HRインスティテュートへ
◆ 岡村 美香: 日本能率協会コンサルティングより、HRインスティテュートへ
◆ 酒井 瑛司: 専門商社、外資系医療機器メーカーを経て、HRインスティテュートへ
◆ 江草 嘉和: 重工業メーカーより、HRインスティテュートへ
◆ 永井 信吾: 大手リース会社、監査法人系教育会社、日系シンクタンクを経て、HRインスティテュートへ
本書で取り上げている8グループに分類整理したビジネススキルはどれもすべて、「持ち運べるスキル」として重要ですが、私が自らの経験から、とくに転職や起業に向けて必須だと感じているスキルとそのポイントを、カテゴリーごとに、以下に挙げてみます。
1.戦略思考編
◆ 戦略的思考-戦わずして勝つために、問いを変え、これまでにないアプローチを描く
◆ ロジカルシンキング-「事実」「解釈」「判断」の繋がりと分かりやすさ
◆ ゼロベース思考-思考の枠組みを外す、目的を再確認する、制約の置き方の違いを考える
◆ フレームワーク思考-分けると分かる、全体を網羅する、モレなくダブリなく(MECE)
◆ 仮説思考-70点主義でPDCAを回す
◆ なぜなぜ分析-なぜを5回繰り返し真因を探る
◆ アナロジー思考-他業界の成功事例からヒントを得る
◆ ポーターの競争戦略-戦わずして勝つための「コストリーダーシップ戦略」「差別化戦略」「集中戦略」
◆ ブルーオーシャン戦略-競争のない市場をつくり出す
◆ ロジックツリー-モレなく、ダブリなく整理する
2.コミュニケーション編
◆ 聴く・訊く・伝えるの法則-信頼関係を構築して、質問をし、効果的に伝える
◆ PREP法-結論から伝え、理由、具体例(事実)、結論の繰り返し
◆ ストーリーテリング-共感を誘う伝え方
◆ ポストイット活用術-とくにブレインストーミングでのアイデア出しに有効
3.目標設定編
◆ ミッション&ビジョン立案-自らの「願望」をBHAG(ビーハグ)と呼ぶ大胆な目標に
◆ SMARTの法則-ビジョンや目標設定は、具体的・明確で、測定でき、魅力的で、現実性があり、期限が明確であること
◆ ロードマップ-段階的な目標達成への道
◆ STP分析-ビジネスはターゲットを絞り込み、競争優位となるポジショニングが重要
◆ PPM分析-投資すべき商品サイクルが分かる
◆ クロスSWOT分析-施策を4択に落とし込み、進むべき方向を探る
4.分析編
◆ 鳥・虫・魚・コウモリの眼-マクロの鳥瞰、ミクロの細かさ、潮流を読む、反対から捉える
◆ PEST分析-政治・経済・社会・技術のマクロ外部環境の分析
◆ 5F分析-競合・代替・新規参入・顧客・サプライヤーの5つを分析
◆ 3C分析-顧客・市場、競合、自社(内部)の分析
◆ VRIO分析-内部資源の競争力を分析
◆ コアコンピタンス分析-自社にしかない能力や技術(独自性・差別化の武器)
◆ What・Where・Why・How-問題解決の王道プロセス
◆ フェルミ推定-仮説を立て、検証し、知っている情報から推測する
5.時間管理編
◆ 優先順位付け-重要度と緊急度で分類して整理
◆ ケアマネジメント-責任は個人に問わず、組織の仕組みで解決
◆ 「悩む→考える」切り替え術-仮説を立てることに全力を
6.メンタル編
◆ ポジティブ・シンキング-視野の狭さとこだわりの意強さに注意して、心を前向きに
◆ マインドフルネス-いまこの瞬間に集中
◆ アサーティブネス-自分を尊重し、正直に気持ちを伝え、他社に共感を示す
◆ リフレーミング-解釈の仕方、ものの見方を変える
◆ アンガーマネジメント-深く呼吸をし、感情をコントロール
◆ メタ認知-もう1人の自分が客観的に自分を見る
7.リーダーシップ/チームビルディング編
◆ 脱コンフォートゾーン-居心地の良いゾーンから抜け出してチャレンジを
◆ フォロワーシップ-協働者としてスキルを磨く
◆ ダイバーシティ-多様性を受け入れ、異なる解釈を受け止める
◆ エンパワーメント-積極的に権限を委譲する
◆ エンゲージメント-職場にいることが自分の成長につながると実感
◆ PDCAサイクル-リーダーは振り返りと改善を促す
◆ YWT-やったこと、わかったこと、次にやること
◆ ポジティブストローク-相手を認めて動機づける
8.ライフハック編
◆ 脱 “ バカの壁 ”-自分と異なる立場の人から学ぶ
◆ 低糖質×スニーカー×仲間づくり-健康がすべての基盤
◆ ネタもと力-点・線・面の情報力
◆ ルーティーン-決めたことを継続し、人生を豊かにする
◆ 自分のため、人のため、人々のため-人を幸せにするために主体的に仕事をする
この本は、年間300社を超える会社に対し、ともに経営課題を解決し、多くの人材を育成してきたHRインスティテュートのノウハウが、8名のコンサルタントの経験やスキルとともに凝縮して公開されたもので、今後の激動する社会の中で生き残りのために真に役立つビジネススキルを学びたい人に、ぜひ推薦したい一冊です。
あなたも本書を読んで、どんな時代になっても、AIに代替されることのない、どこに行っても活躍できる「ポータブルスキル」を磨いてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!