名古屋発祥で大人気の「コメダ珈琲店」の秘密を書いていて、読めば読むほどコメダに通いたくなる本があります。
本日紹介するのは、日本実業出版の編集者、花王の企画ライターを経て独立した経済ジャーナリスト・経営コンサルタントの高井尚之さんが書いた、こちらの書籍です。
高井尚之『なぜ、コメダ珈琲はいつも行列なのか?-「お客が長居する」のに儲かるコメダのひみつ』(プレジデント社)
この本は、今やスターバックス、ドトールコーヒーに次ぐ国内第3位の店舗数を誇るコメダ珈琲の人気の秘密を大解剖している書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.「コメダ珈琲店」の人気の秘密を大解剖!
2.「昭和レトロなコーヒー」と「ボリュームたっぷりパンメニュー」
3.全世代の心をつかむ接客のアイデア
4.“ アンチスタバ派 ” が好きな「昭和型喫茶店」の魅力
5.コメダの企業としての「強み」を大解明!
この本の冒頭で著者の高井さんは、「喫茶店で落ち着いて過ごしたい、日本人の琴線に合っている」ことが、コメダ珈琲店の人気の秘密ではないか、と述べています。
高井尚之さんは、これまで、カフェ・喫茶店における消費者心理を調べてきていて、『日本カフェ興亡記』(日本経済新聞社)や『カフェと日本人』(講談社現代新書)といった本も出版しています。
そもそも全国の喫茶店の数は、1981年の店舗数15万4630店をピークに減少を続けていて、最新の調査(2012年時点の平成24年経済センサス基礎調査)では7万454店と最盛期の半数以下になっています。
それでもコンビニの5万4000店よりは多い店舗数になります。但し、現在はカフェ・喫茶店だけでコーヒーを飲むわけではなく、例えばハンバーガー店、コンビニ店(イートイン店)、多様化したレストランなどもカフェ機能を果たしていると言えるでしょう。
そうした中で、「お客の滞在時間」が長く、コーヒー単価400円超というコメダ珈琲が人気なのは、どうしてでしょうか。
その要因を本書では、さまざまな角度から、コメダ珈琲のこだわりや特色から紐解いて説明しています。主な要因は以下の通りです。
◆ セルフカフェ疲れの「ゆっくりくつろぎたい」お客様へのフルサービス
◆ 無料のモーニングサービス
◆ 看板メニュー「シロノワール」
◆ 「長靴型」容器のクリームソーダ
◆ 常連のメニューを覚える接客
◆ 爆盛りのカツサンドやジャーマンのキャベツ
◆ 「山小屋風」の店舗でウッディ―なぬくもり空間
◆ 視線が気にならず圧迫感のない高さの間仕切り座席
◆ 読み放題の新聞・雑誌
◆ おまけのスペシャル豆菓子
とくに看板メニュー「シロノワール」の人気が凄い。これは、フランス語で「黒」を意味するノワール(noir)の上に、「白い」ソフトクリームが乗っていることから、「シロ+ノワール」と名付けられたものです。
相反する2つという意味もあって、「温かい」デニッシュパンに「冷たい」ソフトクリーム、「白と黒」の思いも込めているそうです。
コメダ珈琲の創業者・加藤太郎さんは、もともと米穀店だった実家に、敬意を表して「コメ」の名前を付け、「コメタロウ」から「コメダ」になった、と言います。
コメダ珈琲は現在は、アドバンテッジパートナーズという投資ファンドに譲渡されていて、創業者の加藤さんの所有ではありませんが、創業のコンセプトは今も生かされています。
加藤さんによれば、コメダは喫茶業だが、その本質は「貸し席屋」だと言います。企業の応接間や自宅の居間の代わりに利用するものです。
そう言う意味で、コーヒー1杯で雑誌を2冊読めばモトが取れる、こんな「お値打ち」なところはない、という考えです。
コーヒー専門店チェーンが、回転率を上げるために、空間に密集させて固い椅子を導入したのとは反対で、コメダ珈琲は、心地よい空間をめざしました。
そうした顧客本位の姿勢が、固定客からの熱い支持を受けているのでしょう。あなたも本書を読んで、コメダ珈琲の魅力に触れてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を