「私の仕事をざっくり説明すると、ジャンルとして成立していないものや大きな分類はあるけれどまだ区分けされていないものに目をつけて、ひとひねりして新しい名前をつけて、いろいろ仕掛けて世の中に届けることです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1958年京都市生まれ、武蔵野美術大学在学中に漫画家デビュー、以来、イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャンなどとして幅広く活躍、1977年に造語「マイブーム」が新語・流行語大賞受賞語になり、「ゆるキャラ」の命名者でもある、みうらじゅんさんが書いた、こちらの書籍です。
みうらじゅん『「ない仕事」の作り方』(文春文庫)
この本は、「マイブーム」という流行語を創り出し、「一人電通」によって広めた手法(仕事術)をすべて紹介してしまうという企画で書かれたものです。
本署か以下の7部構成から成っています。
1.まえがき すべては「マイブーム」から始まる
2.ゼロから始まる仕事~ゆるキャラ
3.「ない仕事」の仕事術
4.仕事を作るセンスの育み方
5.子供の趣味と大人の仕事~仏像
6.あとがき 本当の「ない仕事」~エロスクラップ
7.I don’t blieve me. みうらじゅんと糸井重里は、もともとなかった仕事をやっていた。
この本の冒頭で著者は、どんな仕事であれ、「自分ありき」ではなくて、「自分をなくす」ほど、我を忘れて夢中になって取り組んでみることが肝心だ、と述べています。
そして、「本書を最後まで読んでいただければ、そのための心構え、やり方、コツ、といったものが見えてきて、それが実はどんな仕事にも応用がきくものだということが、おわかりいただけるのではないか」と続けています。
本書の前半では、「ゼロから始まる仕事~ゆるキャラ」について、以下のポイントを紹介・説明しています。
◆「マイブーム」も「ゆるキャラ」も、水と油を結び付けたもの
◆「ない仕儀と」に共通するのは、自分を洗脳して無駄な努力をすること
◆ 好きだから買うのではなく、買って圧倒的な量が集まて来たから好きになる
◆ 収集しただけではタダノコレクター、それを書籍やイベントに昇華させて、初めて「仕事」になる
◆ 雑誌で記事にするには、企画の売り込みと「接待」
◆ 私の仕事は「一人電通」、企画から集める、ネタ、発表、接待のすべてを一人でやる
◆ イベントを仕掛けるときは多くの協力を得る
◆ ブームとは「誤解」から生まれる
この本の中盤では、「ない仕事の仕事術」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 絶滅危惧種を見つけて、あったら買う
◆ 新たな土俵、ジャンルを生み出せば、専門家は自分だけ
◆「勝手に観光協会」で全国を旅してPR
◆ 天狗、ゴムヘビ、地獄表(めったに来ないバスの時刻表)をプラスに転換
◆ ブロンソンズ、バンド、崖っぷちなど誰もやらない企画
◆ ネーミングが重要:いやげもの、とんまつり、らくがお
◆ 重い言葉をポップにする:親孝行プレイ、会議プレイ、残業ブーム
◆ 省略すると流行る: シベ超、DT、セカチュー
◆ 母親や編集者ひとりに向けて発信する
◆ 一気に全部の雑誌に書く
◆ 誰か得意な人とチームを組む(異能が横並びで集まる)
◆ 言い続けることで、AMA(海女)ブーム、アイデン&ティティ
本書の後半では、「仕事を作るセンスの育み方」および「子供の趣味と大人の仕事~仏像」について著者の経験を紹介しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 自分の活動を続ける「自分塾」
◆「私が」で考えない
◆ 不自然なことをやり続けるには「飽きないふり」
◆ 仕事を得るのは不安そうに見えるほうがいい
◆ 仏像スクラップで仏像博士に
◆ イマジンに掛けて「イマ寺院」
◆ いとうせいこうさんの文章富むんで「見仏記」シリーズ
◆「仏画ブーム」と「仏像大使」
この本の締めくくりとして著者は、「本当の『ない仕事』~エロスクラップ」について、次のポイントを紹介しています。
◆ 仕事にならない「エロスクラップ」
◆ エロスクラップは最も長い「マイブーム」で趣味
◆ 基準価値のないものを「マイブーム」と言って買い続け、アンチ断捨離
◆ 他人と同じことをしていても駄目
本書の巻末には、著者が「唯一の上司」と勝手に呼んでいるという糸井重里さんとの「スペシャル対談」が掲載されています。
あなたもこの本を読んで、「ない仕事」を作り出す心構え、やり方、コツを身につけて実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2771日目】