「なぜ、私たちは幸せを求めるのか」と問いかけ、幸せの定義から幸福度に影響を与える要因などについて考察している本があります。
本日紹介するのは、英国ニューカッスル大学生物心理学部進化・行動調査グループの心理学助教授であるダニエル・ネトルさんが書いた、こちらの書籍です。
ダニエル・ネトル『幸福の意外な正体~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか』(きずな出版)
この本は、世界各国の研究データで「幸福」について分かっていることを整理し、幸福学について深く考え、幸福のヒントをつかめるようにしている書です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.はじめに-なぜ、私たちは「幸せ」を求めるのか
2.幸せって何だろう?-幸福の定義について考えてみる
3.人生は喜びに、満ちている?-あなたが幸せになれない理由
4.幸せな人って、どんな人?-ウェルビーイングの基盤
5.性格で、幸福度は決まる?-日常の変化をどう受け入れるか
6.不幸せは脳の仕業?-落ち込んだ気分を変える方法
7.感情は、コントロールできる?-ネガティブな状態から抜け出そう
8.人は今より、幸せに生きられる?-矛盾をはらむ幸福の心理を解明する
この本の冒頭で著者は、「いい社会とは単に、すべての個人が、幸せの追求にいそしむことができる社会です。」と述べています。
1776年のアメリカ独立宣言で、その起草者であるトーマス・ジャファーソンが語った「すべての人間は平等につくられ、決して奪われてはならない権利をその創造主から与えられた。その権利とは、生命の権利、自由の権利、そして幸福を追求する権利である。」という言葉の中にある、三番目の権利が「幸福を追求する権利」となっています。
続いてこの本では、「幸福」の3つのレベルについて、次のように紹介しています。
◆ レベル1: 一時的な気持ち(喜び、楽しさ)
◆ レベル2: 気持ちのバランスの判断(充足感、生活の満足度)
◆ レベル3: 善良なる生活(美徳、潜在能力の開花)
次に本書では、「幸せな人ってどんな人?」という問いかけに対して、ウェルビーイングの基盤を考察しています。
健康との関係、男女の違い、お金との関係、人生の自主性との関係、結婚との関係など、様々な研究結果を紹介しています。
この本の後半では、「幸福度は性格によって決まるのか」や、脳や感情のコントロールと幸せの関係についても、多くの知見を紹介・解説しています。
それぞれの具体的な中味の詳細について知りたい方は、ぜひ本書を手に取ってお読みください。
この本の最後で著者は、「幸福感は変わっていく」と指摘しています。
例えば、うつ病をわずらう人々の割合が、先進国ではここ数十年急増しているのです。一つには、通信手段がグローバル化したせいで、より幅広い商品やより多くの比較対象が目に入るようになったから、ということです。
幸福感とは、人々が比較の中でどう感じるかという相対的な面があり、体形、収入、キャリアなどをめぐって人々が汲々とするのは無理もない話だ、と著者は述べています。
あなたも本書を読んで、「私たちはなぜ『幸せ』を求めるのか」、「幸福の正体とは何か」を考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!