「私たちは、お互いの言葉を憶測しながら会話を重ねています」と指摘して、「言葉」を使うときの人間の心理にフォーカスすることを提唱する本があります。
本日紹介するのは、心理学者・心理コンサルタントで作家でもある晴香葉子さんが書いた、こちらの新刊書です。
晴香葉子『言葉って不思議だと思いませんか?』(彩雲出版)
この本は、普段私たちが使っている「言葉」というものが、発する側も受け取る側も、そのままの意味で使っていないことが多々あることに注目して、「言葉って不思議だと思いませんか?」と問いかけています。
多少の誤解やトラブルが生じることはあっても、ほとんどの人がこれといって疑問を抱くこともなく、日々言葉を使って何かを伝え、家族・コミュニティ・社会生活が成り立っています。
そうした中で本書は、良い悪いではなく、「あり得ること」として、「言葉を発するときの人間の心理」を覗いてみた本です。
本書は以下の5部構成にして、合計33の言葉を選定して、それらの言葉が使われるときにありがちな「前提」や、抱きがちな「心理」を、いくつか取り上げて解説しながら傾向を探っています。
1.会話の言葉
2.恋愛の言葉
3.人間関係の言葉
4.在り方
5.人生を彩る言葉
本書で選定した「33の言葉」と、その前提や心理について、私の印象に残ったものをいくつか以下に紹介します。
◆ 信じる; 相手を信じきれているときにはあまり使われない
◆ できない; 力不足ではなく、動機づけが足りない
◆ わかった; 話を切り上げたい、もうそれ以上言わないで
◆ 考えとく; どっちでもいい、事なかれにできれば
◆ 運命; そう思った方が、いろいろ楽
◆ 人間関係; 関わりのある人が、思うように動いてくれなくて
◆ ここだけの話; 秘密が守れない
◆ 決められない; 自分の人生の責任がとれない
◆ がんばる; 結果は大目に見てほしい
◆ 希望; 現状に満足できていないとき、救われたいとき
また本書の途中に挿入されている「言葉の心理学」というコラムは、なかなか読み応えがあります。私が以前から知っていた話もありましたが、大半は初めて知る知識で参考になりました。テーマを挙げておきます。
1.はじめに言葉があった-言葉の起源-
2.オックスブリッジ・アクセント-言葉の習得-
3.プラグマティックス-言葉の意味-
4.ポライトネス-言葉の心地よさ-
本書は、採り上げている「言葉」も普段、私たちがよく使ったり聞いたりするもので興味が湧きますし、ひとつひとつの「言葉」の解説もとても読みやすく納得のいく解説が続いて惹き込まれます。
さらに途中にこの「言葉の心理学」というミニ知識がスパイスのようなアクセントとして効いて、とてもいいリズムで読んでいくことができます。
コミュニケーションや人間関係が上手くいかずに悩んでいる方、何となく気にしている方に、本書はとくにお薦めです。あなたも本書を読んで、改めて「言葉」の裏にある「人間の心理」を考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を