書評ブログ

『寡欲都市TOKYO 若者の地方移住と新しい地方創生』

「この本を読み終えたら、日本全体やあなたの地域やあなたの生活の「未来」への不安(日本の慢性的な様々な課題)は大幅に減少し、アフターコロナの日本の「未来」が今よりはっきり見えるようになると確信しています。」と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、1977年生まれ、慶應義塾大学商学部を卒業後、博報堂入社、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーを経て、現在はマーケティングアナリスト原田曜平さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

原田曜平『寡欲都市TOKYO 若者の地方移住と新しい地方創生』(角川新書)

 

 

この本は、2021年の東京オリンピック後の令和の時代に、日本の「未来」がどうなっていくのか、日本の各地方・地域の「未来」がどうなっていくか、あなたの生活の「未来」がどうなっていくか、どうなっていくべきなのかということを、「東京」を切り口にしながら書いた書です。

 

 

本書は以下の10部構成から成っています。

 

1.はじめに

2.今の日本が置かれた状況

3.東京は世界で最も熱い

4.東京の人間が東京の価値を一番知らない

5.東京の魅力は世界に伝わっていない

 

6.世界中の若者がTOKYOに住みたい

7.「サイコーにちょうどいい」街、東京

8.東京に引き寄せられる若者たちの「思想」

9.TOKYOの課題と未来

10.おわりに

 

 

この本の冒頭で著者は、「他の先進国を見ても、移民以外の方法(少子化対策)で人口を増やしている国はほぼありません。」と述べています。

 

 

本書の前半では、「今の日本が置かれた状況」東京は世界で最も熱い」および東京の人間が東京の価値を一番知らない」というテーマで著者の見方を説明しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ 東京は世界の若者にとって最も魅力的な都市になりつつある

◆ 自国の大都市部の人口を移民によって増加させるのが欧米先進国のモデル

◆ 世界の先進国の大都市は、若者が住みづらく、生きづらくなっている

◆ アメリカのTVドラマ『Girls』は、若者に生きづらさが描かれ共感を集めている

 

◆ 成熟社会では、経済成長よりも精神的な豊かさや生活面での質向上を求める

◆ アメリカ、中国、日本の若者は「居心地」を重視

◆ NYやLAは人口減少、東京は人口増加

◆ 東京の住居費、外食費、交通費、娯楽費、など物価が意外なほど安い

 

 

この本の中盤では、「東京の魅力は世界に伝わっていない」および世界中の若者がTOKYOに住みたい」ということについて、以下のポイントを解説しています。

 

◆ 日本のインバウンドはまだ少ない

◆ 英語による発信力、PRが弱い日本

◆ 欧米で日本アニメ文化は見下されつつある

◆ ミレニアル世代、Z世代のキーワードは「チルい」

 

続いて掲載されている「外国人留学生から見たTOKYO]というテーマの座談会も興味深く読めます。

 

 

本書の後半では、「サイコーにちょうどいい街、東京」東京に引き寄せられる若者たちの思想」およびTOKYOの課題と未来」について考察しています。主なポイントは次の通りです。

 

◆ 実質賃金がアップした欧米、ダウンした日本

◆「まったり何も考えず暮らす」なら東京が最高

◆ 若者の行動原理は「楽」、我慢したくない

 

◆ 日本は世界4位の「移民大国」、東京に若い移民が増える

◆ 東京は若者が支持する「小康」「寡欲」の価値を持つ未来都市に

◆ 東京を「エンジン」として稼いだ金を地方へ再分配して地方創生を

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「東京は今、世界の若者たちにとって、最高級の都市ではなく、『寡欲』という意味で最もバランスのとれた都市になりつつある」と述べています。

 

 

あなたも本書を読んで、「寡欲都市TOKYO]の未来を考え、若者の地方移住や地方創生の可能性を考えてみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2671日目】