「世間の『正解』に合わせることに、限りある人生を使ってはいけない。」― 周囲の期待や評価に振り回されず、自分の本音を大切にして生きるためには、どうすればいいのか。アドラー心理学の「勇気づけ」を40年以上実践してきた第一人者が、「他人軸」から「自分軸」へと人生を転換するための考え方を説いた本があります。

本日紹介するのは、1947年栃木県生まれ、早稲田大学卒業後、1985年に有限会社ヒューマン・ギルドを設立し、代表取締役としてカウンセリングやカウンセラー養成、企業・自治体・学校などでの「勇気づけ研修」やリーダーシップ研修を実施してきた、中小企業診断士、上級教育カウンセラー、アドラー心理学カウンセリング指導者の岩井俊憲(いわい・としのり)さんが著した、こちらの書籍です。

岩井俊憲『自分軸で生きる勇気 アドラーに学ぶ 賢く本音で生きるための思考法』(朝日新聞出版)

 

私たちは日常生活の中で、知らず知らずのうちに他人の評価を気にして生きています。
「周囲からどう思われるだろうか」「会社や上司の期待に応えなければならない」「世間一般の常識から外れてはいけない」

こうした考え方に縛られていると、自分が本当に何を望んでいるのか、何を大切にしたいのかが分からなくなってしまいます。

著者は、日本社会を「超・他人軸社会」と捉え、他人の価値観や期待に合わせ続けることの問題を指摘しています。

そこで必要になるのが、アドラー心理学に基づく「自分軸」という考え方です。自分軸で生きるとは、わがままに振る舞ったり、他人の意見を無視したりすることではありません。

自分の本音や価値観を大切にしながら、他者との適切な距離を保ち、自分の人生を主体的に選択することです。

本書は、自己理解、人間関係、仕事、人生設計など、さまざまな場面で実践できるアドラー心理学の知恵を紹介しています。

本書は以下の6部構成から成っています。

1.なぜ自分軸が必要なのか ―「超・他人軸社会」を生きるためのアドラー心理学

2.不完全な自分の受け入れ方

3.自分の「真の欲求」を見つける

4.他者と線引きするための「判断軸」

5.コンパスなきゴールは自分を見失う

6.「今ここ」を生きるために ―共同体感覚の特徴

 

本書の前半では、「他人軸」から「自分軸」へと生き方を転換するための考え方について、以下のポイントを説明しています。

◆ 他人の評価や世間の常識に合わせすぎると、自分の本音が分からなくなる

◆ 自分軸とは、自分の価値観に基づいて主体的に判断し、行動すること

◆ アドラー心理学では、人間は自分の人生を選択できる存在と考える

◆ 完璧な自分を目指すのではなく、不完全な自分を受け入れる

◆ 自分の弱さや欠点を認めることが、前向きに生きる勇気につながる

 

この本の中盤では、自分の本音を見つけ、他者との適切な関係を築く方法について解説しています。主なポイントは次の通り。

◆ 周囲の期待ではなく、自分が本当に望んでいることを見つめ直す

◆「やるべきこと」と「やりたいこと」を区別し、自分の欲求を理解する

◆ 自分の課題と他者の課題を分け、必要以上に他人の問題を背負わない

◆ 他者の評価に振り回されず、自分なりの判断基準を持つ

◆ 相手を尊重しながら、自分の考えや気持ちを率直に伝える

 

本書の後半では、自分らしい人生設計と「今ここ」を生きる姿勢について考察・提言しています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 人生の方向性を決める、自分なりの目標や価値観を持つ

◆ 他人が決めた成功ではなく、自分にとっての幸福を追求する

◆ 過去への後悔や未来への不安にとらわれず、「今ここ」を大切にする

◆ 他者とのつながりや貢献を通じて、共同体感覚を育てる

◆ 自分らしく生きる勇気を持ち、日々の小さな選択を積み重ねる

 

本書を読んで最も印象に残ったのは、「自分軸で生きること」と「他者と協力して生きること」は決して矛盾しないという点です。

アドラー心理学では、自分の人生を主体的に生きることと同時に、他者への関心や貢献を重視しています。

つまり、自分軸とは、自分勝手に生きることではなく、自分の価値観を持ったうえで、周囲の人たちと対等な関係を築いていくことなのです。

人生100年時代、とくに定年後の人生を考えるうえでは、この視点が重要だと感じます。
会社員時代は、会社の評価や役職、組織の目標など、他人軸で生きる場面が多くなりがちです。

しかし、定年後は自分自身で人生の目的を設定し、住む場所、付き合う人、時間の使い方を主体的に選択していく必要があります。

「他人からどう見られるか」ではなく、「自分はどう生きたいのか」。この問いを持つことが、人生後半戦を自分らしく、幸せに生きるための出発点になるのではないでしょうか。

他人の期待や評価に疲れている人、これからの働き方や人生設計を見直したい人に、ぜひ読んでほしい一冊です。

YouTubeチャンネル「大杉潤のYouTubeビジネススクール」でも、人生100年時代の働き方、定年後キャリア、ひとり起業、資産形成やライフスタイルなど、仕事と人生を豊かにする情報を発信しています。ぜひチャンネル登録をしてご覧ください。

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では、今日もハッピーな1日を!【4240日目】