「なぜ “ 数字 ” は大事なのか。私の答えは、“ 納得が必要だから ” です。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、フリーの研修講師として独立したビジネス数学の専門家である深沢真太郎さんが書いた、こちらの書籍です。
深沢真太郎『マンガでわかるデキる人は「数字」で伝える』(幻冬舎)
この本は、株式会社グラッツエリアン営業部・関東チームリーダーの山下晴美がワインバーを出店する新規事業プロジェクトのリーダーとして奮闘するストーリーを通して、数字はコトバであり、コトバを正しく使えば、「伝わらない」が「伝わる」に変わることを示している書です。
そして、それは、「心のときめき」をもたらすものにもなります。つまり、「数字」=「コトバ」=「ときめき」をもたらすもの、なのです。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.数字はコトバです
2.デキる人は「数字」で伝える
3.「なるほど」を生む数字のつくり方
4.グラフを使わない人になる
5.よいプレゼンは “ 数学的 ” である
6.黄金比は「数学」が9割、「ハート」が1割
この本の冒頭で著者は、数字が苦手な人ほど、正解を気にして、「仮に」考えるのが苦手だ、と述べています。
そこで、カフェなどよく行く店の「1日の平均売上高」を計算してみると、「定量化」のコツがつかめる、と推奨し、以下のような手順を説明しています。
◆ モレなくダブりなく整理する(大杉による注:MECE という)
◆ 量になっていないものを量にする
◆ 短時間で総量を捉える!
次に、経営者や仕事がデキる人は、いつも具体的な金額に換算して考える、すなわち「定量化」の習慣を持っている、と著者は説明しています。
それは、次のようなメリットがあるからで、ビジネスパーソンには「いつも具体的な金額に換算して考える」ことを著者は勧めています。
◆ 数字で考えるチカラが鍛えられる
◆ 相手に対する説得力が増す
◆ 本当の意味で、時間を大切にできるようになる
さらに、数学的な思考回路を持つ人の共通する特徴として、以下の2つの「思考回路」がある、と本書では紹介しています。
◆ 定義する
◆ 比べる
つまり、何かを明確に定義しないと、思考は始まらないし、何かと何かを比べるから、数字はつくられるのです。数学的な思考回路を持つ人ほど、「定義」にこだわるものです。
そして、数字に強くなるには「勉強」より「習慣」だ、と著者は言います。数字に強い人は、日常生活の中でつねに数字で測ることで、具体的な情報にして、行動の改善につなげています。
それを、著者の歩く「階段」を例にして、以下の通り「定量化」するメリットを解説しています。
◆ 数字で測るから具体的な情報になる
◆ 具体的な情報になるから、気づくことがある
◆ 気づけるから、改善もできる
このように、スキマ時間の使い方を変えると、アタマの使い方が変わり、口から発するコトバが変わります。そして発するコトバが変わるとビジネスコミュニケーションが必ず変わる、とこの本では解説しています。
この本の中盤では、グラフについての解説が記されています。実際の円グラフや棒グラフを示して分かりやすく説明されています。
大切なのは、①伝えたいメッセージを先に考えてからグラフを作ること、と②グラフは「For me」ではなく「For you」の精神で作成すること、の2点です。
本書の後半では、わかりやすいプレゼンをする数学的な人の方法として、以下の2点を最初に伝える、という特徴を紹介しています。
1.今から何を話すのか(=「定義」と「前提」)
2.今日は何をわかってほしいのか(=「ゴール」)
そして、ゴール(結論)までのルートを複数の事実で繋いでいきます。その「つなぎ」に使うのが「接続詞」で、実際のプレゼンで接続詞をより効果的に使いコツとして、「1秒の間」を入れることを紹介しています。
さらに、伝わるプレゼンのコツとして、この本では次の3点を挙げています。
1.相手の心の中に「箱」を用意してあげる
2.「ピンときた!」と感じさせる「喩え」を活用する
3.プレゼンの9割は数学的につくり、残りの1割はハート(情熱や人間性)でつくる
この本は、数字を使うこと、数学的な考え方をすることに加え、ロジカルシンキングの基本も分かりやすく説明しています。
加えて、伝わるプレゼンテーションのコツや、ビジネスコミュニケーションの基本も説明されていて、ビジネスパーソンにはぜひお薦めの一冊です。
あなたも本書を読んで、数字は「コトバ」であり、「ときめき」をもたらすものであることを学んでみませんか。
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