書評ブログ

『出口なきマンションというシステム:私がマンションを売った理由』

「マンションというシステムが、果たして完成されたものなのか、人生の大半をかけてまで、本当に購入する価値のあるものなのか?」と述べている本があります。

 

本日紹介するのは、昨日に続き、銀行員、経営コンサルタントを経て、現在は資産運用会社役員として、経営企画及び金融商品や不動産の選定等を行っている藤野屋新之助さんが書いた、こちらの書籍です。

 

藤野屋新之助『出口なきマンションというシステム:私がマンションを売った理由』(Kindle出版)

 

この本は、築26年になる自宅マンションの管理組合理事長を務める中で著者が経験した出来事を契機に、考えたこともなかったマンションの売却を決断し、実行してきた経緯をリアルに記した書です。

 

 

本書は以下の2部構成から成っています。

 

1.これはもう無理、売るしかない

2.出口無きマンションというシステム

 

この本の冒頭で著者は、「新型コロナが流行り始めた2年ほど前、新築で購入した26年間住んだマンションを売却しました。売却金額は、購入時の3分の1程度、とんでもなく下がってしまいました。」と述べています。

 

 

本書の前半では、「これはもう無理、売るしかない」というテーマで、次のポイントを説明しています。

 

◆ 機械式駐車場の稼働低下・赤字問題

◆ 管理組合理事長として「長期延滞者対応」

◆ 理事長として、裁判の原告になる

◆ 今後30年間の大規模修繕計画で、修繕積立金を3倍にする必要

◆ マンションの「歯抜け問題」と売却を決意

 

 

この本の後半では、「出口無きマンションというシステム」について考察しています。主なポイントは以下の通り。

 

◆ 日本国民の1割以上はマンションの住民

◆ マンション老朽化問題と建替え工事完了は263件のみという驚愕の事実

◆ 出口無きマンションというシステム

◆ 今こそ、国民的議論が必要

 

 

本書で紹介しているマンション老朽化に伴う問題は、多くのマンションで見られる現実でしょう。「終の住処」については、拙著『定年ひとり起業マネー編』(自由国民社)にて私の考え方を公開しています。

 

 

この本の締めくくりとして著者は、「私は今後もさらにこの問題を深堀していきたいと思っています。老朽化マンションの解決策、老後どこに住んだらいいのか、どういう住まい方があるのか、終の棲家とはなんんあのか・・・考えたらきりがありません。」と述べています。

 

 

あなたも本書を読んで、マンション老朽化問題終の棲家について、改めて深く考えてみませんか。

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【3108日目】