「もはや日本は出生数の減少も、人口減少も止めようがないのだ。年間出生数が50年もせず10万人を下回る可能性を否定できず、100年もすれば日本人は8割近く減る。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1963年名古屋市生まれ、中央大学卒業の作家、ジャーナリストで、人口減少対策総合研究所理事長、高知大学客員教授、大正大学客員教授、産経新聞社客員論説委員のほか厚生労働省や人事院など政府の有識者会議委員も務める河合雅司さんが書いた、こちらの書籍です。
河合雅司『縮んで勝つ 人口減少日本の活路』(小学館新書)
この本は、人口が減ることをむしろチャンスとして活かし、「縮んで勝つ」こと、つまり「戦略的に縮む」という成長モデルを提示し、具体的にどう実行に移していけばよいのかを「7つの活路」として整理して解説している書です。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.100年で日本人8割減
2.見えてきた日本崩壊の予兆
3.人口減少を逆手に取る
この本の冒頭で著者は、「日本人がむこう100年間で8割も消えるという激烈な人口減少は、わが国始まって以来の『最大の国難』だ。国家が残るか消えるかの瀬戸際にあるのだ。」と述べています。
本書の前半では、「100年で日本人8割減」ついて以下のポイントを説明しています。
◆ 楽観的な人口未来図は、年金の財政検証に向けた「政治的な産物」
◆「リアルな未来図」では、50年後に人口半減、100年後に8割減
◆ いずれ「3人に1人が75歳以上」という超々高齢社会に
◆ 年間出生数マイナス4.54%が続いたら、2053年の日本人出生数は18万人に
◆「戦略的に縮む」という成長モデルは敗北主義ではない
この本の中盤では、「見えてきた日本崩壊の予兆」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 路線バス廃止で各地が ”陸の孤島” に
◆ 地方空港はパイロット、整備士不足で開店休業も
◆ 水道料金は平均5割アップに
◆ 建物と住民の2つの「老い」で厳しい老朽化マンション
◆ 農業従事者8割減で飢餓クライシス
◆「買い物難民」5人に1人は東京圏
◆「医師偏在」を引き起こす患者不足
◆ 就職氷河期世代の高齢化で困窮世帯が激増
本書の後半では、「人口減少を逆手に取る」ついて説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 外国人依存から脱却
◆ 女性の戦力化
◆「従業員1人あたり利益」を経営目標に
◆ デジタル技術で価値創出して高付加価値に
◆ 中小企業も独自に海外進出を
◆ 全国に30万人規模の「独立国」を
◆ 地域を戦略的に縮める
この本の締めくくりとして著者は、2023年3月に超党派の国会議員により「人口減少時代を乗り切る戦略を考える議員連盟」(人口減少戦略会議)が立ち上がったことを紹介して、「大きな一歩」と述べています。
あなたも本書を読んで、人口減少日本の活路となる「縮んで勝つ」戦略について考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3492日目】