「イタズラ小僧と父親、イスラム原理主義者と米国、若者と老人は、なぜ互いに話が通じないのか」と問題提起をしている本があります。
本日紹介するのは、東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入り、その後、東京大学医学部教授を定年前に退官して、作家となった養老孟司さんが書いてベストセラーとなった、こちらの書籍です。
養老孟司『バカの壁』(新潮新書)
この本は、結局われわれは、自分の脳に入ることしか理解できない、学問が最終的に突き当たる壁は自分の脳だ、と提唱している書です。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.「バカの壁」とは何か
2.脳の中の係数
3.「個性を伸ばせ」という欺瞞
4.万物流転、情報不変
5.無意識・身体・共同体
6.バカの脳
7.教育の怪しさ
8.一元論を超えて
この本の冒頭で著者は、「話せばわかる」は大嘘で、「話してもわからない」ということが多い、と述べています。
実際に人間は、自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断してしまっています。
例えば、「常識」=「コモンセンス」というのは、「物を知っている」つまり知識がある、ということではなく、「当たり前」のことを指します。
知識と常識はそもそも違うもので、「わかっている」のと、雑多な知識が沢山あるのとは、別物だ、ということです。
さらに、「わかる」ということについて考えを進めていくと、「そもそも現実とは何か」という問題に突き当たってくる、と著者は言います。
本書の中で著者の養老さんは、「人生でぶつかる問題に、そもそも正解なんてない。とりあえずの答えがあるだけです。」と述べていて、私たちは科学も含めて「確実なこと」を探し続けているのだ、としています。
そしてこの本の最後で、現代人がいかに考えないままに、己の周囲に壁を作っているか、と指摘しています。
そもそもいつの間にか大事なことを考えなくなってしまっているのです。私たちは今日まで一生懸命、単調な社会を延々と作ってきました。
例えば、かつては働かなくても食える状態に近づきたいという気持ちが共通の原動力になって、これだけ生活が便利になったのです。
さらに、人間の欲や「一元論」について、さまざまな考察が述べられていて参考になります。
あなたも本書を読んで、私たちがいかに自分の周囲に「バカの壁」を作って、情報を遮断しているのかを自覚してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を