「認知症予防に特別な薬はいらない。毎日ちょこまか歩くだけでいい」― 40年間の臨床経験30年間の町医者としての実践から導き出された、シンプルで力強い健康法を説いた一冊です。

本日紹介するのは、東京医科大学卒業後、大阪大学第二内科、市立芦屋病院内科などを経て、1995年に尼崎市で長尾クリニックを開業し、40年間の医師生活で2500人以上を看取ってきた医学博士・長尾和宏さんの著書です。

長尾和宏『歩く人はボケない 町医者30年の結論』(PHP新書)

 

本書は、認知症や生活習慣病を予防し、健康寿命を延ばすために最も効果的な習慣として「歩くこと」の重要性を説く健康実践書です。

この本の冒頭で著者は、「毎日歩行する習慣を持てば、認知症をはじめとする生活習慣病の大半は予防できる」と断言しています。

本書は以下の9部構成から成っています。

1.ゴルフ場にはなぜ元気な高齢者が多いのか?

2.歩かない人ほど、フレイルや病気になる

3.認知症になる理由

4.歩くことと肥満、美容

5.歩くと、自然免疫が高まる

6.歩行と脳は、関係している

7.歩くだけで、認知症予防になる

8.歩くことを楽しむ

9.食事がダメだと歩いたことが無駄になる

本書の前半では、なぜ歩くことが健康維持に大きな効果をもたらすのかについて解説されています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 元気な高齢者に共通するのは日常的な歩行習慣

◆ 歩かないことがフレイルや要介護状態を招く

◆ 認知症は脳だけの病気ではなく全身の生活習慣病である

◆ 過度な運動よりも無理のない継続的な歩行が重要

◆ 肥満予防や美容面でも歩行は大きな効果を発揮する

 

この本の中盤では、歩行と免疫力、脳機能との関係について詳しく説明されています。主なポイントは次の通り。

◆ 歩行は自然免疫を高め病気に強い身体を作る

◆ 太陽光を浴びながら歩くことで体内時計が整う

◆ 良質な睡眠が脳の老廃物排出を促進する

◆ 歩行による適度な疲労が睡眠の質を向上させる

◆ 脳と身体は密接につながっており歩行が脳を活性化する

 

本書の後半では、認知症予防と健康長寿を実現するための具体的な生活習慣が紹介されています。主なポイントは以下の通りです。

◆ 歩くだけでも認知症予防に十分な効果がある

◆ 朝の散歩が睡眠ホルモンの分泌を整える

◆ 歩くことを義務ではなく楽しみに変える

◆ 食事改善と歩行を組み合わせることが重要

◆ 健康長寿の秘訣は特別なことではなく日々の積み重ねにある

 

本書を読んで特に印象に残ったのは、「歩行は脳のゴミ掃除を助ける」という考え方です。

著者によれば、認知症患者の脳にはアミロイドβという老廃物が蓄積しています。その排出には良質な睡眠が欠かせず、その睡眠を支えるのが日中の適度な歩行だというのです。

また、本書では「長距離を速く歩く必要はない」と繰り返し述べられています。スキマ時間にちょこちょこ歩くだけでも十分効果があり、むしろ無理な運動は逆効果になる場合もあるという指摘は、多くのシニア世代に安心感を与えるでしょう。

人生100年時代において、認知症予防や健康寿命延伸は誰もが関心を持つテーマです。本書は難しい医学知識ではなく、誰でも今日から実践できるシンプルな健康法を示してくれます。

健康に不安を感じ始めた方はもちろん、定年後を元気に過ごしたい方、家族の健康を守りたい方にもぜひ読んでいただきたい一冊です。

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では、今日もハッピーな1日を!【4132日目】