「リーダーはあくまで役割であり、だれでもリーダーになれる。リーダーになるヒントを教えます。」と提唱している書があります。
本日紹介するのは、大企業グループ向けのコンサルティングを10年以上手掛けて、人事制度改革、コミュニケーション改革などを推進してきた経験を持つ河野英太郎さんが書いた、こちらの書です。
河野英太郎『99%の人がしていないたった1%のリーダーのコツ』(ディスカヴァー21)
この本は、リーダーとマネジャーの違いを明確にした上で、リーダーに求められる能力とは何かを整理した書です。
まず、リーダーシップ研究の権威であるハーバード大学のジョン・コッターさんによる、以下の定義を紹介しています。
◆ リーダー; 変化を見極め組織の向かうべきビジョンを掲げ、関係者を動機づけ、ビジョンに向かわせる人
◆ マネジャー; 決められた目標に向けて組織を管理し、目標を達成させる人
著者の河野さんによる整理では、「リーダーは性善説にもとづき人をやる気にさせる仕事」、「マネジャーは性悪説にもとづき人を管理する仕事」となります。
私の場合は性格が前向きだし、将来ビジョンを掲げて向かっていくタイプなので、つくづくマネジャーよりもリーダー向きだなあと思います。
現実のビジネスでは、リーダーシップとマネジメントの両方の能力が求められることが多いと思いますが、本書では以て非なる二つの役割・能力のうち、リーダーシップに着目して説明しています。
本書は「リーダーシップのコツ」について、以下の8部構成にて論じています。
1.メンバー選びのこつ
2.仕事の依頼のコツ
3.メンバー評価のコツ
4.トラブル対処のコツ
5.チームを前進させるコツ
6.モチベーションを高めるコツ
7.人を育てるコツ
8.自分を調えるコツ
本書では実践的な観点から、なるほどと感じるような説得力のある「コツ」が随所に出てきて参考になります。とくに私が共感して印象に残ったものを以下に挙げておきます。
◆ バランスのとれたメンバー構成にする
◆ 多様性(ダイバーシティ)を意識する
◆ 「指示」といわず、「依頼」という
◆ ビジョン、メリット、感情を添える
◆ 仕事を「感謝・お礼」、「感動」、「尊敬」のパターンでほめる
◆ 感謝を伝える
◆ とにかく決める
◆ 「言い訳」でなく「解説」する
◆ 安心させる
◆ 相談する
◆ 自分も学び続ける
◆ リーダーの靴をはかせる
◆ 上機嫌でいる
◆ 「孤独」を受け入れる
◆ 影響力を自覚する
著者の河野さんは、本書の前に、よく似たタイトルの次の本を書いて、37万部のベストセラーになりました。こちらの方を知っている方も多いと思うので、最後に併せて紹介しておきます。
河野英太郎『99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ』(ディスカヴァー21)
本書の結びで著者は、「上司、先輩などの看板を盾に理不尽を押しつける “ 特別な権力 ” を前提とした社会がそろそろ限界を迎えている」と述べています。
あなたは社会の発展を阻害するような「上司」になってはいないか、本書を読んで今一度、振り返ってみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を