「人生100年時代に突入し、健康であれば、80歳くらいまで働かなくては生活が成り立たない状況を迎えています。」と指摘し、「終わった人」ではなく、「再び輝く人」になるために必要なことをまとめて提言している本があります。
本日紹介するのは、組織・人事戦略コンサルタント、特定社会保険労務士、早稲田大学大学院非常勤講師で、株式会社パトルネール代表取締役の麻野進さんが書いた、こちらの書籍です。
麻野進『幸せな定年を迎えるために 50才からやっておくべき会社員の終活 41のルール』(ぱる出版)
この本は、人事コンサルタントとして30年近く、様々な組織の会社員を観察してきた著者の麻野さんが、第一次会社員人生(=20歳前後の社会人になってから一般的な終身雇用が終了する60~65歳まで)の終わらせ方(身の処し方)と、後半の仕事人生に向けて準備しておきたいことをまとめた書です。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.まえがき~「終わった人」ではなく、「再び輝く人」になるために必要なこと
2.50代からの働き方次第で会社人生の幸せな終わり方が決まる
3.会社員人生の「残りあと半分」の戦い方
4.会社に貢献できることをアピールするためには50歳を過ぎてからの働き方が重要になる
5.50歳から本気で考える「仕事」と「お金」と「生活スタイル」のこと
6.幸せな人生の後半を迎えるための「会社員の終活」は50歳になったら進めておきたい
7.あとがき
この本の冒頭で著者は、「まもなく到来する人生100年時代は、80歳まで現役で働ける社会になっている可能性が高い」と述べています。
私は、80歳ではなく「85歳まで働く」、あるいは「生涯現役で働く」時代になったことを、2018年に刊行した拙著『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)にて提唱させていただきました。
続いて、80歳まで働くためには「複数のステージ」を経験することが必要だとして、有形資産に加えて、次の「3つの資産」の形成が必要と説明しています。
◆ 生産性資産
◆ 活力資産
◆ 変身資産
さらに50歳までに積み上げてきた「豊富な3つの仕事力」がこれからの武器である、と著者は言います。以下の3つになります。
◆ 経験
◆ 所得
◆ 人脈
次に、人生100年時代に向けた自らのビジョンを設定し、その実現のために「内的キャリア」を探る8つの「キャリア・アンカー」という概念を紹介しています。キャリア・カンカーとは、「仕事人生においての錨=仕事をする上での価値観」で、以下の8つになります。
1.専門・職能
2.マネジメント
3.自律・独立
4.保障・安定
5.起業・創造
6.奉仕・社会貢献
7.純粋な挑戦
8.ワーク・ライフ・バランス
本書の中盤では、「45歳ぐらいから働き方を変えましょう」と提唱していて、必要となる「7つの習慣」を以下の通り、提示しています。
◆ 残業しない効率的な働き方
◆ 自慢話はしない
◆ 社内人脈を再構築する
◆ 知識・スキルの更新を怠らない
◆ 自己主張より「傾聴」が武器になる
◆ ティーチングよりコーチング
◆ マネジメントからリーダーシップへ
この本の後半では、は「シニアの働き方」として理想的だと言われている映画『マイ・インターン』で主演のロバート・デ・ニーロが教えてくれている、次のようなポイントを紹介しています。
◆ 何事にも積極的なシニア
◆ 依頼されたら何でも引き受ける
◆ 仕事を自分から見つける
◆ 昔話は聞かれない限りしない
本書の最後で著者は、幸せな人生後半を迎えるための「会社員の終活」として、「60歳になる前に終えておきたい5つのこと」を以下の通り挙げています。
1.個人の名刺を作っておく
2.趣味では「お小遣い稼ぎ」ができるレベルにしておく
3.小中高の同窓会に参加する
4.パソコンのヘルプデスクがないことを理解しておく(=自分でやる)
5.「大企業の生活習慣病」を改善しないと中小企業では通用しない
さらに後半人生のキャリアデザインに必要な4つの要素を、次の通り、説明しています。
◆ 心身の健康(➀美味しいものを食べ、笑い、適度に運動する)
◆ 良好な人間関係(脱・孤立、金持ちより人持ちに)
◆ 生き甲斐(社会貢献、生涯活躍、趣味など)
◆ 人生の意味(ライフテーマ)
あなたも本書を読んで、「仕事」を通じて成長し、成熟した50代からは高い志を持って「志事」しようという著者の提言を受け止め、実践してみませんか。
2020年6月18日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第129回】50歳からやっておくべき「会社員の終活」にて紹介しています。
毎日1冊、ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
では、今日もハッピーな1日を!