「お金があることで心の安定を得られることは事実です。しかしだからといって老後のために貯めてきたお金をほとんど使わないのはもったいないです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、慶応義塾大学経済学部卒業後、アメリカンファミリー生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に6年間従事、2015年に株式会社Money&Youを創業し、現在は株式会社Money&You 代表取締役、中央大学商学部客員講師の頼藤太希さんと、慶応義塾大学文学部卒業、2005年に女性向けFPオフィス、株式会社エフピーウーマンを創業、10年間取締役を務め退任、現在は株式会社Money&You 取締役の中央大学商学部客員講師の高山一恵さんが書いた、こちらの書籍です。
頼藤太希・高山一恵『50代から考える お金の減らし方』(成美堂出版)
この本は、幸せに生きるための「お金の減らし方」を説く本で、どういったお金の使い方が人を幸せにするのか、各種研究論文・書籍を読み込み、そうした情報を一挙にまとめて分かりやすく紹介しています。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.取り崩す前に押さえておきたいお金の話
2.お金がたくさんあれば幸せになれる?
3.資産ゼロを目指す投資戦略とお金の減らし方
4.自分に合った商品が見つかる おすすめ金融資産
5.知っておきたい定年後のお金と働き方
6.幸せになるための老後のお金
この本の冒頭で著者は、「プロローグ」として、次の基本的な考え方を提示しています。
◆ お金は人生の選択肢を増やすために貯める
◆ 貯めたお金を使わずに残していく人が多い
◆ 幸せになるためにお金や時間を使う
◆ 思い出は生涯にわたって「幸せの配当」を与え続けてくれる
◆ 効率的に貯めて、安心してお金を使う
本書の前半では、「取り崩す前に押さえておきたいお金の話」および「お金がたくさんあれば幸せになれる?」について以下のポイントを紹介しています。
◆ 老後の医療費189万円、介護費542万円が目安だが、夫婦で1,000万円の用意を
◆ 70代の生活費は、50代の7割程度、教育費が減り、増えるのは医療保険のみ
◆ 新NISAや iDeCoを活用して、長期・積立・分散で金融資産に投資
◆ 長続きする幸せである非地位財(健康・安心・社会とのつながり等)が大切
◆ タイムバスケットで取り組むことに集中する
この本の中盤では、「資産ゼロを目指す投資戦略とお金の減らし方」および「自分に合った商品が見つかる おすすめ金融資産」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 富の最大化より幸福の最大化を目指す
◆ 70歳までの資産取り崩しは、4%以内にとどめる
◆ カ・サテライト戦略の資産は、サテライト資産から取り崩す
◆ 70歳以降は「前半定率・後半定額」で資産を運用しながら取り崩す
◆ 年金の繰り下げ受給を活用し、さらに豊かな生活を
◆ 信託報酬の安い投資信託がおすすめ
◆ CF資産である高配当株・増配株への投資
◆ CF資産であるREITや個人向け国債・米国債
◆ 不動産投資のおすすめは中古ワンルーム投資で相続税対策にも役立つ
本書の後半では、「知っておきたい定年後のお金と働き方」および「幸せになるための老後のお金」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 60歳を超えても働き続ける現役の人が多い
◆ 働くことは生活の充実につながる、再雇用の他にフリーランスや起業する働き方も
◆ 終の住処をどうするか、持ち家を手放す選択肢も考える
◆ 早めの生前贈与や家族信託の活用も検討する
◆ 人生は50代から必ず好転する
この本で紹介・解説している「幸福の最大化を目指すお金の減らし方」は、拙著『定年ひとり起業』シリーズ三部作(字自由国民社)と同じコンセプトの考え方が多く、強く共感しました。
この本の締めくくりとして著者は、「人生は有限です。明日がくるのは当たり前じゃない。後悔しないように、人生を全力で楽しみたいですね。」と述べています。
あなたも本書を読んで、人生後半を豊かにする「お金のキホンと取り崩し」について学び、幸福の最大化を目指していきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3696日目】