「戦略は大胆かつ繊細に、“ Hot ” で ” Cool ” に描け!」と提唱し、優れた企業の事例や一流のリーダーの思考法を織り交ぜながら、「戦略シナリオ」策定の要諦を30ポイントに整理して分かりやすく解説している本があります。
本日紹介するのは、株式会社HRインスティテュートと同社の創業者でコンサルタントの野口吉昭さんが書いた、こちらの書籍です。
HRインスティテュート・野口吉昭『30ポイントで身につく!「戦略シナリオ」の技術』(PHP研究所)
この本は、日本企業を取り巻く環境が大きく変化し、競合が圧倒的に増えるという背景において、企業の現場で働く人々が戦略的に考え、行動するためのポイントをまとめたものです。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.戦略シナリオとは?
2.戦略シナリオを立案する25のポイント
3.戦略的なリーダーになるための5つのポイント
この本の冒頭で著者は、「戦略的に考えるコツは、多くのケースに触れることです。理論を裏づけるケースを知り、そしてまた理論で裏づけをする。-こうした繰り返しが、日々の戦略的思考につながります。」と述べています。
そして、戦略は最終的に意志を持って決断する必要があり、論理だけで決着するものではないと指摘しています。
戦略を立てるには、「大胆さ」と「緻密さ」をあわせ持ち、「ホット」で「クール」に考えることがポイントだ、と著者は言います。
次に、戦略シナリオの定義・位置づけについて、本書では次の2点を挙げています。
◆ ミッション・ビジョンを明確にし、ロードマップを描く
◆ 戦略論を学び、シナリオ化する
そして、戦略シナリオを立案するための25のポイントを、①理念・目標設定編、②戦略分析編、③戦略策定編、④戦略実行編に分けて、以下の通り、提唱しています。
1.小さな気づきを大切にする
2.ありたい姿を明確にする
3.大胆で繊細、ホットでクールに考える
4.好きなことをやる
5.誰もやっていないことをやる
6.鳥の目と虫の目をあわせ持つ
7.目標と現状のギャップに目を向ける
8.情報を使い分ける
9.知ったつもり、わかったつもりに要注意ーゼロベースで考える
10.最後は意志で判断を下す
11.価値を最大化する
12.参入障壁を高めるー他社に負けない圧倒的な強み
13.二律背反を超える
14.小さく始めて大きく育てるーリスクを最小限にしながら遠心力を使って拡大
15.オープン化する
16.ターゲットを変えるー影響力のあるターゲットを
17.バリューチェーンを入れ替えるー強化すべき強みを明らかに
18.プラットフォームをつくる
19.誰もいない市場に出向くーブルーオーシャンを探せ
20.ブラックボックス化するーコア・コンピタンスを守り抜く
21.想い・執念を注入する
22.戦略をストーリーにする
23.KPIをモニタリングするー戦略をマネジメント
24.計画を臨機応変に見直すーマイルストーン、対策案、エグジットルール
25.継続しやすい環境をつくるーウェイのある組織
さらに、戦略的なリーダーになるためのポイントをさらに5つ追加(26~30)して、計30ポイントを挙げています。
26.物語を共有し、企業としての価値を全員で高める
27.ロードマップを描いて、目標達成までの道のりを具体化する
28.戦略を通じて人を動かすために、情熱とロジックをあわせ持つ
29.自分は相手に何ができるかを考え、人脈を広げる
30.自分を信じて、ワクワクしながら見えないものを見ようとする
この本の最後に、戦略を立案する人に必要なこととして、以下の通り記されています。
「どんなときも関わる人を想い、その戦略の先にある “ ビジョンの達成 ” を確信できるくらい考え抜いて、自信と共に人に伝えること」
そして、戦略シナリオとは、そこで活躍する人たちの個性と能力をいかに、市場が求めるニーズやウォンツと結びつけるかをシナリオにしたもの、とまとめています。
変化のスピードが速く、競争がますます激化している現在の日本企業を取り巻く環境の中で、戦略を立て、全社一丸となって実行し、早く成果を上げていくことが重要になっています。
そのための羅針盤として、本書は最適です。加えて、HRインスティテュートが書いた、『30ポイントで身につく!「ロジカルシンキング」の技術』(PHP研究所)を併せて読まれることを強くお薦めします。
あなたも本書を読んで、「こうありたい」というトップの想いと、「こうである」という現場の実態を結びつける「戦略シナリオ」の技術を学んでみませんか。
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