共働きでリッチに暮らすか?“下級国民”予備軍になるか?ーそんな衝撃の問いを正面から投げかけ、“人生100年時代の生き方” を再考させる書があります。
本日紹介するのは、1959年生まれ、2002年に国際金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎)でデビューし、『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『幸福の「資本」論』『言ってはいけない 残酷すぎる真実』など、ベストセラー多数の作家である橘玲さんが著した、こちらの書籍です。
橘玲『2億円と専業主婦』(マガジンハウス)
この本は、「共働きこそが最強の人生戦略である」との視点から、家庭収入の最大化、幸福度の最適化をめざして、現代日本の男女格差、働き方、家庭観、老後設計にまで踏み込んで論じた一冊です。
本書は、以下の6部構成から成っています。
1.専業主婦に潜む「知られざる2億円の損」
2.幸福とは好きなように生きること
3.「好き」を仕事にする方法
4.恋愛・結婚・出産と収入格差のギャップ
5.仕事と家庭の両立に潜む構造的障壁
6.共働きで目指すニューリッチな家庭像
この本の前半では、現代日本の家族構造や労働市場の現実をもとに、「なぜ専業主婦は“損”をするのか」というテーマを丁寧に読み解いています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 専業主婦は生涯で約2〜3億円分の収入を逃している
◆ 統計上もっとも幸福度が高い年収は「ひとり800万円」
◆ 「好き」「得意」に基づく働き方が幸福の鍵
◆ 日本の正社員制度は特殊で、非正規との身分差が大きい
◆ 転職しなければ「天職」には出会えない
中盤では、結婚・出産・家庭と収入格差の関連を深掘りし、「同類婚」や「マミートラック」など、現代日本が抱える制度的・文化的障壁を明らかにしています。主なポイントは次の通りです。
◆ 年収の高い女性ほど未婚率が高くなる傾向
◆ 賢い女性は「共働き」をアピールして結婚を選ぶ
◆ 日本では「出産と結婚」が未だに強く結びついている
◆ 家事・育児の過剰な理想像が女性のキャリアを阻害
◆ 「保育園は親子の幸福に寄与する」という視点の重要性
本書の後半では、「生涯共働きによってこそ、経済的にも心理的にも自立した人生が築ける」というメッセージをもとに、現代のワークスタイルや家庭観のアップデートを提案しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 共働きフリーエージェントが最強の生き方
◆ 家事の外注や家事水準の見直しで負担軽減を図る
◆ スペシャリストとしての自立が経済的安定をもたらす
◆ 老後を「短くする」ことで老後問題を根本から解決
◆ 女性こそがAI時代の働き方に最も適した存在
この本の締めくくりとして著者は、「老後を短くすれば、“老後問題”はなくなる」「生涯共働きこそが最強の人生」「愛は対等な関係からしか生まれない」など、読者にとって新しい生き方へのヒントとなる言葉を残しています。
日本社会が直面する少子化・格差・不安定雇用といった構造問題に対して、橘氏は常に「現実ベースで考える」姿勢を貫いており、読後は確かな知識と行動指針が得られる一冊です。
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それでは、今日もハッピーな一日を!【3774日目】