「今から約30年後、日本人の平均寿命は100歳を超えると言われている。(中略) もはや “ 老後 ” という発想を捨てて、自らの人生を生き抜かねばならない。」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、一般社団法人行動科学マネジメント研究所所長の石田淳さんが書いた、こちらの書籍です。
石田淳『100歳時代の人生マネジメント-長生きのリスクに備える』(祥伝社新書)
この本は、現在の平均寿命80歳代まで生きると漠然と考えていたら大間違いで、実は2045年には平均寿命100歳時代になり、2050年には100歳以上人口が約70万人になることを紹介しています。
そうした状況の中で、50代の人たち、とくに男性は危機感が薄く、会社を離れた後の40年間をいかに過ごすのかというイメージをまったく持っていない、と指摘しています。
著者は、行動科学マネジメントを活用して、100歳まで生きるための資金計画、健康づくり、人間関係など、「無理のない習慣化」を提唱しています。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.100歳時代の「学び直し」
2.100歳までのお金の話
3.頭と体を健康に保つ
4.メンタルをどう支えるか
5.生きがいと人間関係
この本の冒頭で著者は、100歳人生を考えたときに、まず大切になって来るのは「資金計画」だ、と述べています。
そしていまの50代に求められるのは「学び直し」で、次のような発想が求められると提唱しています。
◆ AIの登場に対応するためのプログラミングや英語の学び直し
◆ 自分のスキルをアップし続ける努力
◆ 起業家的な発想
◆ 頭であれこれ考えるだけでなく、「実際に動く」こと
◆ 金融リテラシーを磨き、投資に対する偏見をなくす
◆ 小さな目標に、自分へのご褒美を用意する
次に、頭と心の健康について紹介していますが、「健康寿命」という概念をしっかり理解して準備することだ、と著者は言います。
生活習慣病の権威である岡部正医師の著書での指摘を紹介し、「70歳を過ぎてからの健康状態を決めるのは50代の過ごし方」なのですが、それを理解している人は少なく、「50代はなめている」と述べています。
確かに、50代に時に受けた健康診断で、何かしらの指摘を受けたとしても、すぐにどうこうなるものではなく、生活習慣を変えようとしない50代が多い、ということです。
そうすると、70歳を超えたあたりで異常が出てきて、「あのときもっと節制していれば」と後悔することになるそうです。
健康寿命(介護などを必要とせず自立して暮らせる年齢)と平均寿命の差は、男性で9年、女性で12年もあり、その年数がそのまま、健康でない状態(要介護などの状態)で生き続けることになるのです。
「健康」と言えば、①体、②頭、③心という3つの要素の「健康」があり、この3つの要素の健康はそれぞれリンクしている、ということです。
この本によれば、健康づくりの二大要素は、「食事」と「運動」で、「良い食事や運動」は1回限りのものではなく、継続して習慣化することが大切になります。
そして、行動科学マネジメントでは、人が何かを成し遂げられないとき、その理由は次の二つしかない、と考えています。
1.そのやり方自体がわからない
2.やり方はわかっているが、継続できない
具体的な方法として、次のような習慣を著者は薦めています。
◆ 生活の中に「歩く」習慣を採り入れる、1日5分から徐々に拡大する
◆ 極端な糖質制限はせず、腹八分目を心がける
◆ 空腹感を感じて長寿遺伝子のスイッチをオンにする
◆ 遅延型アレルギーをきちんと把握する
◆ いい習慣を続けられた自分に、ご褒美を用意する
続いて、メンタル面について、認知症、うつ病、不安障害の増加について、この本では指摘しています。
認知性の症状に「易怒性」というのがあり、すぐに怒ることです。とくに、「怒り癖」、つまり怒ることが習慣になっている人が増えていて、50代ではそこに注意すべきだ、と著者は言います。
怒りの感情は、自分自身の精神を荒廃させ、人間関係を破壊して、「長寿遺伝子」の尻尾を切ってしまうことがわかっているそうです。
本来、怒りの感情は30秒以上続かないと言われていますが、いつまでも怒り続けている、あるいは怒りが増幅してしまう人は、「怒ることが習慣になっている」のです。
この怒りの根底には「不安」があり、50代に「うつ」が増えているのは、環境の変化が大きいからだ、と本書では指摘しています。
人間は落ち込みやすいようにできている生き物で、絶えずネガティブな「マインドトーク(自動思考)」にさらされている、と著者は説明しています。
そして、ネガティブなマインドトークは、さまざまな「認知の歪み(誇張的で非合理的な思考パターン)」を引き起こします。
すなわち、以下のような客観性のない思い込みにより、多くの人が自分を低く評価しています。
◆ 「私は好かれていない」
◆ 「私はついていない」
◆ 「私はあまり能力がない」
これがネガティブな結果を誘引してしまい、さらにマインドトークがネガティブなものになって認知が歪むという悪循環に陥ってしまうのです。
こうした悪循環を脱するためには、行動科学マネジメントでは、1日の終わりにいいことを3つ書き出すなど、幸せを感じる習慣を意識して作ることを提唱しています。
あなたも本書を読んで、行動科学マネジメントを活用して、100歳人生のための「学び直し」に取り組んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を