西田昌規氏は、1970年石川県生まれの精神科医・医学博士。東京医科歯科大学を卒業し、国立精神神経医療研究センター、ハーバード・メディカルスクール研究員を経て、現在は自治医科大学精神医学教室の講師を務めている。
西田氏は、スリープクリニック銀座にて睡眠障害専門の診療を行う傍ら、企業の精神科産業医として、メンタルヘ伊をルスの問題にも取り組んでいる。
本書は、「爆睡」という、素晴らしい眠りを取り戻すための、具体的な方法、考え方を述べた書だ。著者によれば、年齢を重ねるにつれて睡眠のあり方は変化してくる、という。
但し、中高年になっても「爆睡」は可能であり、それは睡眠の問題が解決するだけでなく、以下に挙げるような効能も私たちにもたらしてくれる。
1.太りにくくなり、生活習慣病とは無縁になる
2.頭が冴えて集中力が上がり、仕事や家事の効率が上がる
3.ひと晩寝ればイヤなことも忘れ、心のリセットができる
4.周囲から好かれ、オフィシャルでもプライベートでも人間関係がうまくいく
5.穏やかな気持ちで毎日がもっと楽しくなる
我々が抱えるさまざまな問題や悩みは、「爆睡」によって吹き飛んでしまうことが多い。これは、睡眠という生理現象がいかに人間の心身に多大な影響を与えているかの証拠だろう。
本書の構成は以下の6部から成っている。
1.「いい睡眠」には人生を変える力がある
2.知られざる「爆睡」へのメカニズム
3.頭と体の健康を左右する「眠り方」
4.ひと晩で脳は完全に「リフレッシュ」 !
5.この眠りで、気持ちがカラッと晴れる!
6.今夜からできる「爆睡環境」のつくり方
本書によれば、「できる人」は皆、例外なくよく眠っている、という。人間の生体リズムは体内時計によってコントロールされていて、「爆睡」のカギは夜ではなく、むしろ日中に隠れている。
本書では、「爆睡」を導くための日中の 「正しい疲れ方」、「睡眠環境の整え方」、「睡眠の新常識」などが分かりやすく説明されている。
いい日中の過ごし方がベースとなり、睡眠のメカニズムを正しく理解して、睡眠のための環境を整えることが大切だ。とくに中高年以降は、睡眠のあり方も変化し、ストレスの多い立場でどのように日中を過ごすかが重要だ。
睡眠の質を高めることは、人生の質を高めることであり、日々の生活に極めて大切なことを学べる書として、すべての方々に本書の一読を薦めたい。