細野真宏氏は、細野経済シリーズ本がベストセラーとなったことで有名になった数学が専門の元予備校講師だ。
『経済のニュースがよくわかる本 日本経済編』 (小学館) は、この種の本では異例のミリオンセラーとなった。一般人にはどうしてもわかりにくく敬遠されがちな経済ニュースについて、ほんとに分かりやすく解説したことがヒットの要因だ。
本書は、細野経済シリーズを著す基盤となった「数学的思考力」をどのように身に付けたらよいかが分かる画期的な本だ。実態を理解することが難しい 「数学的思考力」 という概念を本書は解き明かしている。
数学が苦手な人でも数学的思考力を身に付けることは可能だ、と著書は説く。そして、それはビジネスをはじめ、実社会では大いに役立てることができる思考力だ。
著者によれば、数学的思考力とはまず、仮説を立ててそれを検証していくプロセスだ。また、「情報をフローチャートにまとめることができる能力」が数学的思考力だ、と言うこともできる。
数学的思考力とは、すなわち論理的思考法のことであり、社会に中で応用範囲は広い。本書は、とくに数学嫌いの人でも数学の大切さがわかる画期的な本だ。説明についても細野流でほんとうに分かりやすい。
数学嫌いな人々にこそ、本書をぜひ薦めたい。