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池上彰『そうだったのか!アメリカ』(集英社文庫)

池上彰氏は、NHKの週刊こどもニュースという番組のお父さん役キャスターとして活躍し、茶の間の人気者となった。

 

まったく知識のない人に対して、いかに分かりやすく伝えるかということを考え続けて工夫をしてきた。その成果として、池上氏のニュース解説やその他難しい社会問題に関する説明には定評がある。

 

本書は、アメリカと言う国を理解するための最良の入門書ということができる。米国大統領とはどのような立場なのか、50の州は自治独立を保障され、連邦政府は緩い統治という性格だ。

 

聖書や宗教がアメリカ社会に占める重要な役割とか、合衆国という新しい民主主義制度の仕組みがアメリカという国の特殊性をよく表している。

 

アメリカは新しい国だが、建国の歴史と精神はきわめて重要であり、あらゆる差別を許さない自由の国だ。新しく人工的に形成した国家だからこそ、大切にしているルールや精神がある。

 

アメリカを理解するには深い知識と価値観の理解が必要だが、本書はその入門を学ぶのに最適な書だろう。アメリカと何らかの接点を持つ方々全てに本書の一読を薦めたい。