書評ブログ

本田直之『レバレッジ・リーディング』(東洋経済新報社)

本田直之氏の著書は先日、3日連続で紹介したが、本書は本田氏がベストセラー作家への道を切り拓くキッカケとなったベストセラー書籍だ。本田氏の本書が、ビジネス書を読むトレンドをつくるキッカケになったと言えるほど反響の大きかった書だ。

 

本田氏は、本書でビジネス書の「多読」を薦めている。 「多読」はブームとなった「速読」とは一線を画している。速読が本を読むスピードを上げるテクニックやノウハウなのに対し、多読はあくまでもビジネスへの投資という考え方だ。

 

本田氏は、1冊平均1,500円のビジネス書は、 100倍のリターンがある投資だという。自分に対する投資ほど効率の良い投資はない、というのが著者の基本的なスタンスだ。

 

ビジネス書の多読は100倍のリターンがある投資なのでレバレッジ(てこの意味)がかかるというわけだ。本田氏の経営する会社は 「レバレッジ・コンサルティング株式会社」 で、本書のタイトルは『レバレッジ・リーディング』だ。

 

本書は以下の4つの構成から成っている。

 

1.ビジネス書の多読とは何か
2.本探しは投資物件選び
3.一日一冊、ビジネス書を戦略的に読破する
4.読んだままで終わらせるな!

 

本田氏はもともと本は好きではなかったし、あまり読書はしていなかったという。それが、米国へ留学してMBAを取得した際に、大量の課題書籍を短時間で読まざるを得ない経験をする中で読書に目覚めた。

 

その時の経験を、独自の「多読法」として体系化したのが本書だ。本書によれば、ビジネス書は、著者の30~40年にもわたる試行錯誤の末の成功体験を、わずか数時間で知ることができるため、極めて効率の良い投資だ、ということだ。

 

成功するための道として選択肢が100あって、そのうち10は成功、90は失敗の道だとする。先人の教訓をビジネス書から得ていれば、90の道は最初から試さずに、成功への道を最短で進むことができる。

 

ビジネス書を読まず、すべてを自分でゼロから試行錯誤するのでは、成功の確率は極めて低くなってしまうだろう。成功する経営者や起業家は例外なくビジネス書を多読している。

 

全ての成功を目指す人々に本書の一読を心から薦めたい。