書評ブログ

岡崎玲子『レイコ@チョート校』(集英社新書)

本書は、あまり実態が日本には知られていないアメリカ東部名門プレップスクールに留学した16歳の少女の体験記だ。プレップスクールというのは、寄宿制の私立高等学校で、同校はかつて全米3指に入る名門校と言われた学校だ。

 

学校のランキングは年々、変動が激しいので、現在では3指ではないという評価もあるが、いずれにしても全米最難関の高等学校の一校であることは間違いない。そうした中で著者は、小学校6年の時に英検1級を取得して同校に奨学金で留学した。

 

多彩なカリキュラムや広大なキャンパス、充実した設備、互いを研鑽する量生活など、日本の高等学校では望めない学習環境がチョート校こと、チョート・ローズマリー・ホールにはあったようだ。

 

本書にはチョート校の写真も数々、掲載されていて、イメージも湧くので理解しやすい。学期ごとのカリキュラムや著者の体験が具体的に書かれており、体験談ならではのリアリティがあって、米国留学を考えている若者には、大いに参考になるだろう。

 

卒業の為の必修科目・単位は以下の通りだ。

 

1.英語(12単位) 文学入門、英作文とぶんがく、アメリカ文学
2.歴史(6単位)  選択、世界史、アメリカ史
3.理科(6単位)  物理、化学、生物
4.数学(9単位)  代数Ⅰ、幾何、代数Ⅱ
5.語学(9単位)  レベル1、レベル2、レベル3

 

成績はA~Dまでが単位が認められ、Fは落第と言う扱いだ。米国では、入学よりも卒業の方が遥かに難しいと言われており、同校も例外ではないようだ。

 

9月にスタートする米国の学校は6月で終了となり、そのあとに夏休みがある。夏休みの使い方も最後に紹介されており、日本も同じような学期期間にした方がよいおにと感じる。

 

2001年の出版と、時期がやや古いので、最新事情は別途、情報収集の必要はあるが、米国留学を目指す若者や両親にはぜひ読んでほしい一冊だ。推薦したい。

 

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