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小林政観『22世紀への伝言』(廣済堂出版)

小林政観氏は、心理学博士・教育学博士・社会学博士であり、さまざまなものの見方や宇宙の法則を世の中に提案し続けてきた。亡くなる直前まで、年間300回以上の講演で全国を飛び回り、多くの人の人生を変えてきた。

 

このブログで著書を数冊紹介してきたコピーライター兼作家のひすいこたろう氏は、発信している言葉の多くを小林政観氏から教えられたと吐露している。本書は、著者の教えの原点となった第一冊目の書だ。

 

小林氏は、学生時代から人間の潜在能力や超常現象に興味を持ち、旅行作家のかたわら研究を続けてきた。大学時代から人相や手相がよく当たると言われ、大学を卒業後も25年にわたって勉強を続けた。

 

年間平均500人の人から相談を受けるようになり、25年の合計では1万人を超える数になっているという。本書は、そうした中で著者が話してきたことを書き留め、「22世紀への伝言」 として整理したものを再編集した書だ。

 

本書の構成は以下の6部から成っている。

 

1.宇宙の法則 ; この世に悲劇はそんざいしない
2.人間の神秘 ; 誰もが持っている隠された能力を知る
3.幸せの法則 ; 宇宙にあふれている示唆を受け取る
4.健康の法則 ; 心と体をエネルギーで満たす
5.楽に生きる法則 ; 宇宙を味方にする幸せの見方
6.22世紀への伝言 ; 今と未来を幸せにする意識

 

小林氏の信条は、感謝と笑顔を投げかけ、思いを持たず、流れに任せて生きることだ。そうすれば、良き仲間に囲まれ、喜ばれる存在となって人生を歩ける、という。

 

また、人間には3つの幸せ(=喜び)がある、と著者は言い、それは以下の 「あかし」 だ。

 

1.「あ」 当たり前についての考え方 ; 世の中は思い通りにならなくて当たり前
2.「か」 感謝についての考え方 ; どんなことにも感謝する
3.「し」 神秘性についての考え方 ; 宇宙や人間には無限の 「神秘性」 が宿っている

 

本書の中で小林氏の述べている言葉は、後の著書でも繰り返し提唱されており、とくに以下の数々の教えは印象的だ。

 

1.すべては縁で結ばれている
2.どんな人も私にとってありがたい人
3.投げかけたものが、返ってくる
4.目の前のことを一生懸命やりなさい
5.「伝える人」 ではなく、「実践する人」 になる

 

6.自然のパワーで充電する
7.自分は必要とされていることを知る
8.「種をまく人生」 は、悩みから解放された人生
9.人から評価されないことをすると、自分のことが好きになる
10.「幸せメガネ」 は、肯定する心から生まれる。

 

本書は、やや超常現象にウエイトを置きすぎているきらいがある。ただ、宇宙の法則は、人間や我々の常識を超えた力を引き起こし、時には奇跡も起こすようだ。

 

心をまっすぐにして人生を迷いなく進んでいきたい人に、本書の一読をぜひ薦めたい。