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定年・シニア起業に挑戦しよう!

日本では今、10年ぶりの起業ブームが起きていると言われています。その起業ブームの中で今回の特徴は「定年・シニア起業」だそうです。団塊の世代が定年退職を迎えて元気な仕事を求める高齢者が急増しているためです。

長野県に70歳で起業した方がいます。元信濃毎日新聞記者の岩本弘さんで、連合赤軍軽井沢あさま山荘事件など多くの事件や企画・特集、著名人のインタビューなども担当されていました。そこで本日紹介するのはこちらの本です。

 

岩本弘『挑戦しよう!定年・シニア起業』(カナリアコミュニケーションズ)

 

この本は、年金財政の破綻や70歳年金時代への突入が現実になりつつある現在、シニア世代に次々と降りかかる難問をどう乗り越えるのか、という観点から書かれた力作です。

 

岩本さんの提案はずばり「シニア起業」で新しい生き方をしよう、ということで、私も共感します。岩本さんが定義するシニア世代とは55歳から60歳定年定年を迎えた世代以降、さらに79歳までのざっと4,000万人が対象となります。

 

これは日本の人口1億2,000万人のほぼ3分の1にあたります。日本だけでなく、先進各国でも65歳から75歳、時には80歳を超えるシニア世代が生活のために起業するケースが増えていると言います。

 

この本の特徴は70歳で起業した岩本さんの経験とノウハウが具体的に書かれている点と、元新聞記者らしく少子高齢化による影響が統計データなどにより客観的に描かれている点です。

 

この本は以下の4部構成になっています。

 

1.シニア起業家は超高齢社会の怖さを知っている
2.シニア起業家は準備に時間をかける
3.私の奮戦記と実践ノウハウを一挙公開
4.広がる起業の芽、シニアの経験が生きる

 

巻末には創業・起業問い合わせ先(中小企業庁関係)および主要参考文献・論文が掲載されていて、この本は「シニア起業」のためのガイド、資料集としても価値があります。

 

著者の岩本さんによれば、「シニア起業」の三原則は以下の3点です。

 

1.少資本
2.小規模
3.NOリスク

 

またこの本では「シニア起業」を次の3つの視点からアプローチして書かれています。

 

1.日本、アメリカなど諸外国の少子高齢化の現状分析
2.「シニア起業」に向けて必要な準備・手続きなど
3.具体的な会社の事業展開案内

 

この本は70歳で起業した岩本さんの体験談が随所に散りばめられていて、私たちも勇気づけられます。元新聞記者としての取材に基づく統計や資料も信頼性があり、起業を考えているシニア世代の方々には必読です。

 

では、今日もハッピーな1日を!