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和仁達也『年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書』(かんき出版)

和仁達也氏は、経営者のビジョンと金銭面の成功を支援するビジョナリー・パートナーで、数多くのリピーターとなるクライアントを持っている。27歳の時に月給25万円のサラリーマンから独立してコンサルタントになった。

 

本書は、和仁氏のコンサルタント経験の集大成とも言うべき、年収3,000万円超をコンスタントに稼ぐためのコンサルティングのノウハウを開示したものだ。

 

和仁氏によれば、コンサルタントには契約が長期(1年超)か短期(1年以下)か、およびフォーカスポイントが問題点かビジョンか、によって、以下の4つのモデルがある。

 

1.プロジェクト型 (短期契約で問題点にフォーカス)
2.アドバイス型 (長期契約で問題点にフォーカス)
3.ワークショップ型 (短期契約でビジョンにフォーカス)
4.パートナー型 (長期契約でビジョンにフォーカス)

 

和仁氏は、4番目のパートナー型のコンサルティングを続け、独立系のコンサルタントが安定して3,000万円超を稼ぐにはパートナー型がよい、という。

 

また、中小企業の経営者の三大困り事として、次の三つを挙げていて、和仁氏のコンサルはここに焦点を絞っている。

 

1.会社のお金の流れが漠然としていることによるストレス
2.社員との立場の違いが生む 「危機感のズレ」 によるストレス
3.次のワクワクするビジョンが見えないストレス

 

最初のお金の流れについては、和仁氏が開発したツールで、見える化することがポイントだ。また2番目の社員との立場の違いは、主として情報の質と量の違いから来るもので、コミュニケーション・ギャップをいかに埋めるかがポイントだ。

 

最後3番目のビジョンについては、経営理念など、事業の原点を言語化し、経営者の隠れた欲求を引き出すことが大切だ、という。

 

いずれにしても、上から目線で教えたりアドバイスするということではなく、パートナーとして聞く役割が重要だ。

 

コンサルティングの報酬については、会社のナンバー2といった立場の幹部と同じ役割を、新入社員より安い給料で行う、というコンセプトを最初に示す、という。月額15万円 (現在は30万円以上)というコンサル・フィーも高くないと感じてもらえる貢献度が必要だ。

 

また、ビジネスモデルについては様々あるが、フロントエンド商品からミドルエンド商品、そしてバックエンド商品へと誘導する営業のじょうご構築モデルを推奨している。

 

セミナーや相談も、顧客獲得型にして、見込み客の集客からスタートするやり方だ。最終的には、メルマガ・ブログ・Facebook、ツイッター、YouTube からホームページへ誘導し、本・CD・DVDなどの教材販売、セミナー・合宿・ジョイント企画、さらに電話顧問サービス、養成塾、そして最終的にバックエンド商品である個別コンサルに繋げる方式だ。

 

最後に、こうして組み立てた商品が自己満足にならないために、次の3つの質問を提唱している。つねに自らに問いかけて商品のブラッシュアップを図るという。

 

1.それが誰のどんな役に立つのか?
2.それを提供するのがあなたでなければいけない理由は何か?
3.その金額でお客様が買う理由は何か?

 

以上のように、本書は独立系の個人コンサルティングを行う上での、とても実践的で貴重なノウハウが惜しげもなく公開したものだ。起業してお客様との信頼関係を構築し、ビジネスを安定させたい人に、ぜひとも推薦したい一冊だ。