書評ブログ

ひすいこたろう『ものの見方検定』(祥伝社)

昨日に続いて、天才コピーライター・ひすいこたろう氏の最新著書を紹介したい。ひすい氏は、『3秒でハッピーになる名言セラピー』 (ディスカヴァー21)で作家デビューして以来、ヒット作を連発させている。

 

本書は、10年間にわたり30冊の本を書いてきた、ひすいこたろう氏の集大成とも言うべき書だ。ひすい氏は、歴史の本を書いたり、名前の本を書いたり、英語の本を書いたり、日本の魅力を伝える本を書いたり、偉人伝を書いたり、漢字の本を書いたりしてきた。

 

そのすべての著書の根本にあるものは、「どんなものの見方をすれば明るく生きられるか、心晴れやかに生きられるか」 というテーマだ。30冊の本は、切り口は変わっても、根本となるテーマはすべて一緒だ。

 

著者は、それは自分が誰よりも明るく生きられなかったからだ、という。コンプレックスや悩みこそが、自分の才能を最大限に引き出してくれる、神さまからのギフトなのだ。

 

神さまは著者に、ものの見方を伝えるスペシャリストとしての役をプレゼントするのに、赤面症で、人見知りで、根暗な性格をプレゼントしたのだ、という。

 

いま悩んでいたとしても、また受け止めきれない悲しみに打ちひしがれていたとしても、過去はすべて未来の糧にできる。本書は、「こう考えれば人生に革命が起きる」 という著者の想いを、以下の構成でクイズ形式で伝える書だ。

 

1.天才たちの見方道
2.お金の見方
3.夢を叶える見方
4.マイナスがプラスに反転する見方
5.心がピカーンと晴れわたる人生の見方
6.エピローグ、特別付録、参考文献

 

本書のラスト・メッセージは、「人生で起きることは本当にすべて最高だ」 ということだ。アメリカの成功者たちにインタビューした結果を見てもそのことがわかる。彼らが挙げた成功の理由のベスト3は以下の3つだ。

 

1.病気
2.倒産
3.失恋

 

彼らはこのツラい出来事を、「自分を深く見つめ直す機会」 に変えて生き方を改めた。すると災いが転じて福となった。つまり、失望すら希望の一部なのだ。

 

人生を退屈にするか、面白くするか。決めるのは 「考え方」 だ。ひすい氏が大きな影響を受けた心理学博士の小林政観氏は次のように言っている。

 

「すべての物事は、プラスもマイナスもなく、ゼロであり、ニュートラル(中立)である。幸も不幸も存在しない。そう思う心があるだけ。見方を変えればすべてが変わる。」

最後に、作家のアナトール・フランスの面白い言葉が紹介されている。 「本を人に貸してはならない。貸した本は戻ってこない。私の書斎に残っている本は、人からの借り物ばかりだ。」

 

本書を、明るく楽しく生きていきたい人々に、「ものの見方」 を学ぶ教科書として、心から推薦したい。