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『世界一楽しい超速読勉強法』を紹介します!

「読書」「仕事」「資格試験」など、人生に奇跡を起こすトレーニングだと大手企業で評判になっている勉強法があります。日本生産性本部、JETRO、NEC、富士フィルム、JR東日本、東芝など数多くの大手企業に採用された斉藤英治さんのメソッド「超速読勉強法」です。

 

本日紹介するのは、斉藤英治さんのメソッドに関する最新刊である、こちらの書です。

 

斉藤英治『世界一楽しい超速読勉強法』(三笠書房)

 

この本は、本から「最重要の情報」だけを高速でインプットし、新たな発想をアウトプットする斉藤式の「超効率読書術」であり、「知識創造型速読術」について解説・紹介した本です。

 

「知は力なり」で、現代は知識が人生の最強の武器になる時代です。これを斉藤さんは「知識価値社会」と呼んでいます。「団塊の世代」という言葉を生み出した堺屋太一さんは同じコンセプトで「知価社会」と名付けています。

 

「知識価値社会」においては、いかに大量の情報をスピーディーに処理し「新たな発想」を生み出せるか、が仕事を含めた人生の意義を高める重要なポイントです。

 

斉藤さんが提唱するメソッドは、「アウトプットするための速読法」です。具体的には、「速読耳トレーニング」によって「理解力」「集中力」「発想力」など「脳力」全体を高めます。

 

このトレーニングは、読むだけ聴くだけで、「やる気」「ポジティブな気持ち」「自信」が湧いてくる方法です。人間の脳は、「ワクワク」と楽しんでいる時に最高の働きをします。集中力、理解力、記憶力などあらゆる脳力が活性化されるのです。

 

この本の構成は以下の6部から成っています。

 

 

1.勉強は、最高の未来をつくる武器
2.「最小の努力で最大の効果」を得る ” 知の技術 ”
3.1冊30分で読む!「超効率読書術」
4.仕事のスキルアップ、試験対策・・・・願いをかなえる「速読勉強法」
5.1日たった15分!頭が劇的によくなる「速読耳トレーニング」
6.「超!速読」高速音声テキスト

 

 

まず斉藤さんは、読書はビジネスパーソンにとって「最高の勉強法」だとしています。いわばビジネスパーソンにとっての「筋トレ」のようなもので、本は「人間としての教養」を高め、「仕事に必要な感性」を磨きます。

 

語学やいくつかの専門分野でも読書による独学は可能で、「分析力」「常識力」「判断力」「企画力」・・・・といった一流のビジネスパーソンを目指す人が必ず身につめなければならない能力も「いい本」を一定量読めば養われていきます。

 

ただし、読書にもコツがある、と斉藤さんは言います。本から知識をすばやく吸収し、確かな成長につなげていくコツです。まず、以下の4つの勉強のプロセスを理解することが大切です。

 

1.情報を見つける
2.情報をインプットする
3.記憶する
4.アウトプットする

 

今の時代の「情報」は無限で、情報を「手当たり次第に詰め込むこと」に価値はありません。拾うより捨てることの方が大切な時代であり、「選んで読む」ことがポイントです。

 

かつては「知識」をたくさん持っている人が「ナレッジ・ワーカー」として高く評価されていましたが、インターネットで何でも検索して知識や情報を手に入れられる現代では、単に「知識」「情報」を持っているだけでは「生き残れない」時代です。

 

これからのビジネスパーソンに求められるのは、「知識と知識を結び付けて新しいアイデア(価値)を生み出す」ことで、「ナレッジ・クリエイター(=知識創造者)」になれることが重要です。

 

つまり、「さまざまな分野の知識」を、「使える形で吸収する」ことが大切だということです。

 

 

そのために「斉藤式システム速読法」では、以下の8ステップで読んでいきます。

 

 

1.本を読む「目的」を決める
2.キーワードなど大事なところは「熟読」し、その他は「速読」する
3.アウトプットを前提にして整理しながら読む(インプットする)
4.本を読むデッドラインを設定する(通常30分)
5.最初の5分で、「プレビュー」する(表紙・目次・まえがき・あとがき・見出し・イラスト・チャート・図表)
6.次の5分で、1ページ2秒で「写真読み」
7.残り20分で、「6種類の読み方」を駆使して本文を読む
8.アウトプットとして「速読マップ」を作る

 

 

この方法は、私がビジネス書を速読・多読している方法と殆ど共通している「読み方」なので驚きました。

 

私の場合は、①プレイペアードマインド(目的を決める)、②コンセプトキャッチ(表紙・目次・まえがき・あとがき)、③プライミング(パラパラ読み=プレビュー)、④3種類リーディング(スキミングターゲッティング、トレーシング)、⑤アウトプット、という5ステップです。

 

私の「多読法」に無いのは、上記4の「デッドライン」の設定です。これは吉越浩一郎さんや彼の弟子を任じる立花岳志さんの「デッドライン仕事術」と同じコンセプトの手法です。確かに効果は高いでしょう。

 

斉藤さんは、本を読む期限を30分と区切ることにより、脳が猛烈に動き出すスイッチが入り、これを「ジャスト・イン・タイムの法則」と名付けて推奨しています。

 

もうひとつの相違点はリーディング法が私は3種類ですが、本書では以下の6種類となっている点です。

 

 

1.スキミング
2.スキャニング
3.メイン・アイデア法
4.キーワード法
5.トレーシング法
6.水平読み・垂直読み

 

 

このほかにも、著者は「1週間で専門家速読法」、英文の「トピックセンテンス法」、新聞・雑誌・ホームページの「逆三角読み」など、私も実際に行っている「読書法」を理論武装をして紹介しています。これはとても参考になりました。

 

本書の最後には、「仕事ができる人」=「情報処理能力の高い人」という法則が紹介され、それはすなわち「頭脳回転スピードが速い」という著者の考え方が示されています。

 

斉藤さんは「速読にも頭脳回転スピードが大きく関係する」と説いています。「頭脳回転スピード」とは、多くの情報を効率的に処理する能力のことで、「頭脳回転スピード」と「本を読むスピード」は比例する、としています。

 

また、「知能の高い人ほど、高速で音声を聴き取ったときの理解度が高い」という米国ミズーリ大学教育学部のG・K・フェルゲン博士の実験結果もあります。

 

つまりこの実験結果では、知能の高い人は以下の2点が言えるそうです。

 

1.音声を速くしても、聴き取ることができる
2.聴き取るだけでなく、耳から入った高速音声を脳の中で高速で処理し理解できる

 

したがって、高速音声の聴き取り訓練をすることにより、脳の回転スピードを速め、知能を高めることができる、ということになります。

 

斉藤さんが提唱する、この「速読耳トレーニング」を受けると、頭脳回転スピードが加速度的に高まると言います。その結果、以下のような良い結果がもたらされます。

 

1.「人の話を聴く」のが格段にラクになる
2.脳がアイデア創造工房になる
3.自分に余裕が生まれ人間関係にも良い影響が出る
4.ワクワクした気持ちになり「自分ならできる!」「必ず成功できる!」と考えて効果が更に高まる

 

皆さんも「超速読勉強法」を習得して、「ナレッジ・クリエイター」を目指しませんか。

 

では、今日もハッピーな1日を!