書評ブログ

『新型コロナウィルスの真実』

「新型コロナウィルスから自分を守るために一番大事なものは、情報です。」と述べて、新型コロナウィルスの正体と感染対策を分かりやすく解説した本があります。

 

 

本日紹介するのは、1971年生まれ、神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授岩田健太郎さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

岩田健太郎『新型コロナウィルスの真実』(ベスト新書)

 

 

この本は、多くの人が新型コロナウィルスに関する適切な知識を身に付け、日々変化する状況の中でも根拠のない恐怖、あるいは根拠のない安心に惑わされずに事実を見据えて、その都度「正しく判断」できるようになるための書です。

 

 

 

本書は以下の5部構成から成っています。

 

 

1.「コロナウィルス」って何ですか?

 

2.あなたができる感染症対策のイロハ

 

3.ダイヤモンド・プリンセスで起こっていたこと

 

4.新型コロナウィルスで日本社会は変わるか?

 

5.どんな感染症にも向き合える心構えとは

 

 

 

この本の冒頭で著者は、「マスクがどうかとか、アルコール消毒製剤がどうかみたいな、個別イシューに入り込むのではなくて、まず情報を集めること。知識を身に付けること。事実と向き合うことが何よりも大切です。」と述べています。

 

 

 

そして、新型コロナウィルスについて自分で判断するために、必要な情報と知識とは、「感染症の原則を押さえること」と説いています。

 

 

 

著者の岩田さんによれば、「感染症の原則」とはズバリ、以下の3点です。

 

 

◆ 微生物と感染症は違う

 

◆ 感染と病気は別物

 

◆ 感染経路を遮断することが大事

 

 

 

その他に、PCR検査をはじめ、インフルエンザの検査なども6割程度の感度しかなく、検査結果による「診断」よりも、症状による「判断」が大切だと本書では提唱しています。

 

 

 

続いて本書では、感染症対策のイロハとして、以下のポイントを説明しています。

 

 

◆ 環境を消毒してもkりがないから、手指消毒をする

 

◆ 免疫力は上げるものではなくメンテナンスするもの、休養・睡眠・運動・食事など普通にする

 

◆ 普通元気な時は何をしてもいい、症状が出たら人に会わない、というメリハリをつけるのが大事

 

◆ 咳やくしゃみをしなければ飛沫感染は起きないし、手指消毒をしていれば接触感染もない

 

 

 

この本の中盤では、「ダイヤモンド・プリンセスで起こっていたこと」を赤裸々に解説しています。おそらく最もリアルな描写で、感染症の専門家の見識をきちんと活用することがいかに大切か、戦時のリーダーはいかにあるべきかがよくわかります。

 

 

 

私が納得・共感したポイントは以下の通りです。

 

 

◆ CDC(Centers for Disease Control and Prevention=疾病予防管理センター)という組織が必要

 

◆ ダイヤモンド・ピリンセスに乗り込んだDMAT(Disaster Medical Assistance Team=災害派遣医療チーム)は感染症の素人

 

◆ 国立感染症研究所のFETP(Field Epdemiology Training Program=感染症危機管理を行う人材育成プログラム)は感染症の現状把握や解析をする専門家チームで緊急対応の専門家ではない

 

◆ DPAT(Disaster Psychiatric Assistance Team=災害派遣精神医療チーム)は、船に入らずWEB面接でアドバイスすべき

 

 

 

◆ PPE(個人防護具)は訓練しないと安全に脱げるようにならない

 

◆ ダイヤモンド・プリンセスの最大問題は、ゾーニング(清潔ゾーンと不潔ゾーン)ができていなかったこと

 

◆ 失敗を失敗として認めて、自説に固執しない柔軟性が緊急時には重要

 

◆ 情報を隠した世界からの信用失墜は取り返しがつかない

 

 

 

そのほか、本書の後半では以下のような主張を展開しています。

 

 

◆ 感染症のプロは「病気の後を追っかけてはダメだ」を鉄則にしている

 

◆ 韓国とPCR検査の数を比較しても意味がない

 

◆ 満員電車は無駄

 

◆「余裕を許さない」という病理はなくすべき

 

◆ 考え続けることが大切

 

 

 

本書で提言していることは概ねよく理解でき、今の日本では難しい「官僚機構の壁」があるかも知れませんが、ぜひ改革してほしいことです。

 

 

 

ただ1点だけ、私と見解が違うのが「中国の新型コロナウィルスへの対応」で、情報公開への姿勢を高く評価している点。

 

 

 

中国は、感染源を隠し続けているし、初期の感染を情報開示しいていません。「WHOテドロス事務局長をエチオピアへの資金援助で中国寄りに操っている」というアメリカをはじめ世界の主要先進国メディアの見方の方が的を得ているでしょう。

 

 

 

今後、新型コロナ後に世界で起こることは、おそらく、中国を完全に外した「サプライチェーン再構築」が5年以内になされるのではないか、と私は見ています。

 

 

 

「4本足のものは机以外何でも、羽が生えているものは飛行機以外何でも食べる」中国人が、貧困層のビジネスとして、野生動物の取引市場を持って売買していること、衛星リテラシーを全く持たず、感染も公害も、自分以外はどうなってもよい、という人権意識が皆無の国は、貿易取引から排除されてていく動きが世界的に起きる、と思われます。

 

 

 

あなたも本書を読んで、感染症の原則「新型コロナウィルスの真実」を学び、考えてみませんか。

 

 

 

2020年6月13日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第124回】感染症のプロが説く「新型コロナウイルスの真実」にて紹介しています。

 

 

 

 

 

毎日1冊、ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。

 

 

 

 

では、今日もハッピーな1日を!