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竹下光彦『英語は「リズム」で9割通じる!』(青春新書)

本書は、普通の英語本とは少し趣が違う。英語上達のためには、普通は発音とか文法を基礎として習得することを勧めるものが多い。ところが本書は、まず「リズム」だと説いている。

 

著者の竹田氏は、英語教育専門誌の編集を経て、視聴覚教材の編集長を歴任して独立。以来40年以上、日本の英語教育に携わってきた。

 

竹田氏によれば、英会話は発音を気にするから先に進めないという。英語は「3拍子」で話すと英語らしく聞こえるし、イントネーションで伝えるのが英語らしい、という。

 

また、英語が通じる、通じないは、子音が決め手であり、日本人が苦手な子音をしっかり発音することを意識することで、驚くほど英語は通じやすくなる。

 

英語にとって発音よりも重要なこととして、アクセントを挙げる人は多い。個々の英単語も、もちろんそうだが、文章の中で強調する単語の、さらに強くアクセントを置く母音を強調することは大きなポイントだ。

 

ネイティブは、強調したい単語のアクセントを置く音を通して文章や会話全体の意味を理解している。また、日本語に短歌や俳句の「韻」があるように、漢文も韻を踏むし、英語でも同じだ。

 

英語は、「拍子」を意識し、パターンを習得すれば驚くほど、ネイティブの感覚に近くなる。決められたポーズリズムが英語らしい流れを作り、流れが正しければ文法や発音が多少ずれていても通じるのだ。

 

これまでの英語本にない、目からうろこの内容だ。本書を英語上達に行き詰った、すべての英語学習者に推薦したい。