「人生におけるさまざまなチャンスはすべて自己紹介から始まる」と説いている本があります。
本日紹介するのは、起業家の立川光昭さんが書いた、こちらの本です。
立川光昭『自己紹介が9割』(水王舎)
この本は、ビジネスで成功するための、とりわけ起業を成功させるための「自己紹介」のポイントを、簡潔・明快かつ分かりやすく解説した本です。
そして、ユダヤ系ビジネス術のエッセンスも採り入れ、「30秒」で自分を売り込むコツの全てが網羅されている、優れた一冊だと思います。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.準備編 ~ 成功する自己紹介の9割は準備で決まる
2.当日篇 ~ 覚えてもらうために必要なのは「聞く力」
3.後日編 ~ 次につなげる人脈構築テクニック
本書の中でとくに大切なのは、1番目の「準備編」です。事前準備のポイントは以下の3つです。
1.セルフブランディングにより自分の価値を明確にする (SWOT分析)
2.それをもとに、「弱み」を「強み」に転換し、自分の長所を伝える「ストーリー」を作る
3.「ストーリー」を肉づけし、自己紹介用の短文にまとめ、ブラッシュアップしていく
とくに著者の「立川」方式の自己紹介の特徴は、「弱み」に着目していることです。「弱み」を「強み」に変える「ストーリー」に人は共感して応援したくなるためです。
また、セルフブランディングのコツは、「自分が他人にどのように見てもらいたいか」を真剣に考えることです。自分の価値を明確にするには、「自分を客観的に見ること」が重要になります。
自分の「スペックデータ」を作成したり、「相手にどのように見られたいのか」を考えながら、ひとつのイメージを構築することが大切です。
改善できそうにない性質は、「ストーリー」にして長所に変えてしまうということです。例えば、次のようなフレーズです。
◆ 腰は重いが、じつは粘り強さが身上
◆ 行動力がないのではなく、クールな慎重派である
◆ ムダな動きをしないのは、いつも状況を分析中だから
◆ 腰は重いが、そのぶん観察力が飛び抜けている
ストーリーはなるべくシンプルにしてワンフレーズにすることです。
次に、2番目の「当日編」ですが、フロリダ州立大学のジョン・マナー教授(心理学)によれば、「好悪の感情、相手が仲間なのかライバルなのかを判断するのにかかる時間は、わずか0.5秒」ということです。
これを、「ワン・クラップの法則」と呼びます。パンと1回手を叩く(クラップ)程度の短い時間に、私たちは相手の印象を決めている、ということです。
第一印象がとても大切だ、ということです。心理学でも「初頭効果」と呼ばれる法則があって、「物事の最初が印象として残りやすく、その後の印象に大きく影響を与える現象」を指しています。
平たく言えば、「つかみが大事」ということです。自己紹介に大切な心構え、鉄板の4大ポイント(=黄金ルール)は以下の4つです。
1.笑顔で臨む
2.ひとつ高い声でわかりやすくしゃべる
3.自信のあることを強調しない
4.相手目線での自己紹介を意識する
そして、話を盛り上げるには、「相手が興味を抱く話」をすることです。そこで以下の2点がコツです。
1.相手との共通点を見つける
2.相手の関心事を発見する
さらに、自分を覚えてもらうのに一番大切なのは、「聞く力」だということです。心理学者のウィル・シュルツ博士によれば、人間は誰もが「自尊心を支える3つの欲求」を満たしたい、という思いを持っています。以下の3つです。
1.自己好感
2.自己有能感
3.自己重要感
私たちは、これらの欲求が親しい関係にある相手に承認されることで、安心して特定の人間関係の中で仕事や生活を続けていける、ということです。
そのため、「聞き手」としては、以下の3つを駆使することがコツです。
1.感嘆詞
2.頷き
3.あいづち
つまり、①言葉と②表情・態度と③気持ちの3点セットで、「ちゃんと聞いていますよ」ということを相手に伝える姿勢を取りましょう。これを「反応力」と言い、「聞く力」の中核となるスキルです。
最後の「後日編」については、人脈構築法ですが、著者は「ストックデータカード」を手書きで作ることを提唱しています。記憶に残りやすく、すぐに見つけやすいからだそうです。
名刺のデジタル保存などが進みつつある現在ならでは、アナログの良さを見直そう、ということです。
本書は、起業家の営業や集客にとって大切なエッセンスが、実によく整理して述べられており、「定年前起業」を目指す人にはぜひ一読をお薦めします。
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では、今日もハッピーな1日を!