『90歳、男のひとり暮らし』
90歳でひとり暮らし ―そ れは、どんな日常なのでしょうか。
老いは誰にでも訪れます。しかし、その老いをどのように受け止め、どのように日々を過ごすかによって、人生の味わいは大きく変わります。知恵とユーモアで老いと向き合う姿勢を教えてくれる一冊です。
本日紹介するのは、1935年東京生まれ、早稲田大学第一文学部卒業後、国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、1978年『冷蔵庫より愛をこめて』で小説家デビュー、1979年『ナポレオン狂』で直木賞、1995年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞、2018年には文化功労者に選出され、短編小説の名手として900編以上の作品を発表、『ギリシア神話を知っていますか』など古典ダイジェストシリーズでも多くの読者を持つ作家の阿刀田高さんが書いた、こちらの書籍です。
阿刀田高『90歳、男のひとり暮らし』(新潮選書)
突然始まった単身生活。モットーは「まあまあでいいじゃないか」。この本は、90歳になった著者が、老いと向き合いながら日々を軽やかに過ごすコツを綴ったエッセイ集です。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.日々の暮らしと知恵
2.私が好きなもの
3.身体の声を聞いてみる
4.生と死のあいだで
本書の前半では、90歳のひとり暮らしの日常と、その中にある知恵が語られます。老いを深刻に捉えるのではなく、軽やかに受け止める姿勢が印象的です。主なポイントは以下の通りです。
◆ ひとり暮らしを楽しむ工夫
◆ 手料理で整える日常生活
◆ 税金や買い物との付き合い方
◆ 旧知の場所を訪ねる楽しみ
◆ 「まあまあ」で生きる心構え
この本の中盤では、著者が長年親しんできた読書や落語など、人生を豊かにする楽しみが紹介されます。好きなものに囲まれて生きることが、老後の大きな喜びになることが伝わってきます。主なポイントは次の通り。
◆ 落語を読む楽しみ
◆ 読書の面白さ
◆ 漢字や言葉との付き合い
◆ 思い出との向き合い方
◆ 老いてこそユーモア
本書の後半では、身体の衰えや死についても率直に語られます。老いを否定するのではなく、自然な人生の流れとして受け止める姿勢が印象的です。主なポイントは以下の通りです。
◆ 身体の変化との向き合い方
◆ 五感の衰えを受け入れる
◆ 眠れない夜の過ごし方
◆ 人生の思い出を振り返る
◆ 生と死を静かに見つめる
この本の締めくくりとして著者は、編集部の求めに応じて、次の9つの「推し」を「90歳にちなんだ九ケ条」として簡潔に紹介しています。
1.鏡を見る
2.リュックサックを背負う
3.通信簿は下の方が大切だ
4.しばらく眼を閉じている
5.夢はフィクションなのだ
6.一日一喜びを勧める
7.密かにエロスに親しむ
8.物にも心がある
9.世の中は分布曲線なのだ
老いは避けられないものですが、その過ごし方は人それぞれです。知恵とユーモアを持って日々を味わうことができれば、人生は最後まで豊かなものになるのかもしれません。
人生100年時代を生きる私たちにとって、老いとの付き合い方を考えるヒントが詰まった一冊です。最期の「ありがとう」ー その後 には心打たれました。
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では、今日もハッピーな1日を!【4039日目】








